生理の出血量が多くて、一人で悩んでいませんか。人と比べにくいため、1時間もたないナプキンやレバー状の血のかたまりが出ても、「いつものこと」と我慢してしまいがちです。しかし、その症状は「過多月経」という体のサインかもしれません。
実は、30歳以上の女性の約4人に1人が持つとされる子宮筋腫が原因のこともあり、決して珍しいことではないのです。他にもホルモンバランスの乱れや、気づきにくい血液の病気が隠れている可能性も。放置すれば、つらい貧血で日常生活に支障をきたす恐れがあります。
この記事では、過多月経のさまざまな原因から、新しい飲み薬などの最新治療法までを詳しく解説します。もう我慢せずに、ご自身の体と向き合うための知識を得て、健やかな毎日を取り戻す第一歩にしてください。
過多月経の概要
生理の出血量が多くてお悩みではありませんか。 経血量は人と比べにくいため、一人で悩む方も多いです。
正常な経血量は1回の生理で20〜140mlほどです。 しかし、この量では具体的にイメージしにくいでしょう。 そこで、ご自身の状態を振り返る目安をご紹介します。
【過多月経セルフチェック】
- ナプキンの交換頻度 1時間もたず、頻繁に交換しないと漏れてしまいます。
- 使うナプキンの種類 日中でも、夜用の大きなナプキンでないと安心できません。
- 経血の状態 レバーのような、ドロッとした血のかたまりが出ます。
- 貧血のような症状 生理中に立ちくらみや息切れ、だるさを感じます。
これらのサインは、経血量が多すぎる可能性を示します。 過多月経は貧血だけでなく、日常生活にも影響します。 仕事や家事に集中できず、外出もためらいがちになります。
また、経血量は体調や環境の変化でも変わることがあります。 ある研究では、ワクチン接種後に月経の変化が見られました。 26,283人を分析した結果、約11.7%の人が一時的に 経血量が多くなったと感じたという報告があります。
このように、経血量が増えることは珍しくありません。 「もしかして多いかも」と感じたら、我慢は不要です。 お気軽に婦人科で相談することが大切です。
過多月経の種類
過多月経は、原因によって大きく2つの種類に分けられます。 子宮や卵巣に形の異常がある「器質性」のものと、 明らかな病気はない「機能性」のものがあります。
1. 器質性過多月経
子宮などに形として確認できる病気が原因で起こるタイプです。 代表的な病気には、以下のようなものがあります。
- 子宮筋腫 子宮にできる良性のこぶで、過多月経の主な原因です。 30歳以上の女性の約4人に1人が持つとされています。 最近では、新しい飲み薬での治療も可能になりました。 例えば、レルゴリクスという薬は、偽薬(有効成分の ない薬)と比べて、出血量だけでなく月経時のつらい 痛みを大幅に和らげることが研究でわかっています。 また、リンザゴリクスのように、ホルモン補充療法と 組み合わせるかを選べる薬もあり、治療の選択肢が 広がっています。
- 子宮腺筋症 子宮の筋肉の中に、子宮内膜に似た組織ができます。 子宮が硬く大きくなり、強い月経痛を伴うことが多いです。
- 子宮内膜ポリープ 子宮の内側にできる、キノコのような良性のできものです。
- 子宮体がんなどの悪性腫瘍 まれですが、子宮内膜のがんなどによって、 出血量が増えることもあります。
2. 機能性過多月経
検査をしても、子宮などに明らかな病気が見つからないタイプです。 主な原因は次のとおりです。
- ホルモンバランスの乱れ 女性ホルモンの分泌が不安定になりやすい思春期や、 閉経が近い更年期によく見られます。 排卵がうまくいかないことで、出血量が増えたり、 生理が不規則になったりします。
- 血液の病気 血液を固める働きに問題がある病気が隠れていることも。 例えば「フォン・ヴィレブランド病」は、過多月経に悩む 方の約13%に見つかったという報告もあります。 自分では気づきにくいため、専門的な検査が重要です。
過多月経の原因
過多月経が起こる原因は、人によってさまざまです。 大きく分けると、子宮などに形として異常がある場合と、 目に見える病気はないけれど、体の働きに原因がある場合です。
1. 形に問題がある場合(器質性過多月経)
子宮やその周りに、出血を増やす原因が隠れているタイプです。 子宮の内側がデコボコしたり、広くなったりすることで、 はがれ落ちる子宮内膜の量が増え、出血が多くなります。
- 子宮筋腫(しきゅうきんしゅ) 子宮にできる良性のこぶで、出血が増える主な原因です。 こぶができる場所によっては、子宮がうまく縮めなくなり、 出血を止める働きが弱まってしまいます。
- 子宮腺筋症(しきゅうせんきんしょう) 子宮の壁自体が厚く、硬くなってしまう病気です。 生理の時に子宮がうまく収縮できないため、 出血量が増えるだけでなく、強い痛みを伴うことが多いです。
- 子宮内膜ポリープ 子宮の内側にできる、キノコのような良性のできものです。 ポリープの表面からも出血しやすく、月経全体の量が増えます。
2. 働きに問題がある場合(機能性過多月経)
検査をしても、子宮などに明らかな病気が見つからないタイプです。 ホルモンの働きや、体のコンディションが影響します。
- ホルモンバランスの乱れ 特にホルモンが不安定な思春期や更年期によく見られます。 排卵がうまくいかないと子宮内膜が厚くなりすぎて、 はがれ落ちる時に、出血がダラダラ続いたり量が増えたりします。
- 血液が固まりにくい病気 出血を止める力が弱い病気が、原因のこともあります。 例えば、生まれつき血が止まりにくい病気の一つである 「フォン・ヴィレブランド病」は、過多月経に悩む方の 約13%に見つかったという海外の報告もあります。
- 体のコンディションの変化 体調の変化が、一時的に月経に影響を与えることもあります。 実際に、約2万6千人を対象とした複数の研究を分析した結果、 ワクチン接種後に11.7%の人が一時的に経血量が増加した と報告されています。これは、体の免疫の働きがホルモンに 影響した可能性が考えられています。
このように原因は一つではなく、複数の要因が絡むこともあります。 自己判断はせず、専門の医師に相談することが大切です。
過多月経の症状
「生理の量が多いかも」と感じても、人と比べる機会は少なく、 ご自身で過多月経かどうかを判断するのは難しいものです。 しかし、いくつかのサインからご自身の状態を知ることができます。
以下のような症状に心当たりがないか、振り返ってみましょう。
- ナプキンの交換頻度 1時間もたず、頻繁に交換しないと漏れてしまいます。
- 使うナプキンの種類 日中でも、夜用の大きなナプキンでないと安心できません。
- 経血の状態 レバーのような、ドロッとした血のかたまりがよく出ます。
- 就寝中の漏れ 寝ている間に経血が漏れて、下着や寝具を汚してしまいます。
経血量の多さに加え、体に現れる他の不調も大切なサインです。 立ちくらみや息切れ、顔色が悪い、疲れやすいといった症状は、 鉄欠乏性貧血が原因で起こっているのかもしれません。
また、日常生活に支障が出るほどの強い月経痛も要注意です。 子宮筋腫などが原因の場合、強い痛みを伴うことが多く、 ある研究では、適切な治療で痛みが大幅に和らぐことが 示されています。
過多月経は、単に貧血や痛みを引き起こすだけではありません。 他の病気の治療中に、出血が多いことが治療の妨げになる 可能性も指摘されています。 例えば、血液の病気などで出血を避けたい治療の際に、 過多月経を放置すると、出血のリスクが著しく高まる という報告もあります。
「いつものこと」と軽視せず、ご自身の体のサインに 耳を傾けることが、健康を守る第一歩です。
過多月経の検査・診断
経血の量が多い、血のかたまりが出ると感じたら婦人科を受診しましょう。 生理中でも検査はできますので、タイミングを気にせず相談してください。
診察は、お話を聞く「問診」から始まり、必要に応じて検査に進みます。 原因を正確に見つけるための大切なステップです。
【問診で聞かれることの例】
- 生理の状態 始まった日や周期、出血が続いている日数など。
- 経血の量 ナプキンの交換頻度や、使うナプキンの種類。
- これまでの経験 妊娠や出産の経験、かかったことのある病気など。
次に、内診や超音波(エコー)検査で子宮や卵巣の形に異常がないかを確認します。 子宮筋腫などの病気を見つけるために行います。
性交渉の経験がない方には、お腹の上から機械をあてるなど配慮した方法で 検査をしますので、安心してご相談ください。
また、貧血の有無や、血液が固まりにくい病気が隠れていないかを調べるため、 血液検査も重要です。
実は、過多月経の検査は将来の健康を守るためにも非常に大切です。 例えば、血液の病気などで特別な治療が必要になった場合を考えてみましょう。 治療中は出血のリスクが非常に高くなります。
ある研究では、治療の前に過多月経の管理をしなかった人は、 管理した人に比べて、治療中の出血リスクが約18倍も高くなったと報告されています。 普段の生理が、大きな治療の妨げになる可能性もあるのです。
これらの検査結果を総合的にみて、診断と治療方針を決定します。 気になる症状があれば、放置せずに専門医に相談することが重要です。
過多月経の治療
過多月経の治療は、一人ひとりの状態に合わせて選びます。 原因の病気、症状の重さ、年齢、妊娠希望の有無などを 総合的に考え、最適な方法を医師と一緒に探します。
治療の目的は、経血量を減らし貧血や痛みを和らげ、 つらい症状に悩まされない生活を取り戻すことです。 主な治療には「薬物療法」と「外科的治療」があります。
薬物療法
お薬で症状をコントロールする方法が治療の中心です。 ホルモンバランスを整え、出血の原因となる子宮内膜が 厚くなりすぎるのを抑えるお薬を使います。
- ホルモン剤(低用量ピルなど) 子宮内膜の増殖を抑え、経血量を減らします。 生理痛を和らげる効果も期待できます。
- GnRH関連薬 女性ホルモンの分泌を抑え、生理を一時的にお休み させることで、出血を止めます。 特に新しい飲み薬は、治療の選択肢を広げています。 例えば、レルゴリクスというお薬は、出血だけでなく 月経時のつらい痛みを大幅に和らげることが、研究で わかっています。 また、リンザゴリクスのように、ホルモン補充療法と 組み合わせるかを選べるお薬もあります。
- 子宮内システム(IUS) 黄体ホルモンを放出する小さな器具を子宮内に入れます。 子宮内膜に直接作用し、約5年間、内膜が厚くなるのを 防いで経血量を減らす効果が期待できます。
外科的治療
お薬で効果が不十分な場合や、筋腫などが大きい場合は、 原因を直接取り除く手術を検討します。
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手術の種類
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特徴
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子宮鏡下手術
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腟からカメラを入れ、子宮の内側にできた<br>筋腫やポリープを取り除きます。
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腹腔鏡下手術
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お腹の小さな穴から器具を入れ、筋腫などを<br>切除します。傷が小さく済みます。
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子宮全摘術
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他の治療で改善が難しい場合や、悪性の病気が<br>疑われる場合に子宮を取り除く手術です。
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どのような治療が合うかは、医師とよく相談しましょう。 治療は、将来の健康を守るためにも非常に重要です。
例えば、血液の病気などで特別な治療を受ける際には、 出血のリスクをできるだけ下げる必要があります。 ある研究では、治療前に過多月経の管理をしなかった人は、 管理した人に比べ、治療中の出血リスクが約18倍も 高くなったと報告されています。
「いつものこと」と我慢せず、ご自身の体と将来のため、 最適な治療法を見つけることが大切です。