排便障害

「お腹の調子が悪くてうんちが出ない」「急にお腹が痛くなって間に合わない」といった排便の悩み、あなたは一人で抱え込んでいませんか?便秘や下痢、そして意図せず漏れてしまう便失禁といった排便障害は、誰にでも起こりうる身近な問題です。しかし、「恥ずかしい」「誰にも言いたくない」と感じ、人に相談しにくいことから、多くの方が一人で悩みを深めてしまいがちです。

この問題は、単なる体の不調にとどまらず、日常生活や心、さらには学校生活や人間関係にまで複雑な影響を及ぼすことが研究でも明らかになっています。時には、体の他の病気が隠れているサインであることもあり、決して軽視できません。

しかし、適切な診断とあなたに合った治療を受けることで、症状を改善し、快適な毎日を取り戻せる可能性は十分にあります。この記事では、排便障害の種類や原因から、効果が早く現れるとされる「バイオフィードバック訓練」、自宅でできる「IoMTデバイス」を使った新しい訓練、そして簡単な「習慣訓練」まで、あなたにぴったりの解決策を見つけるお手伝いをします。

排便障害の料金の仕組みを知ろう

排便障害とは、お腹の調子が悪くて「うんち」を出すのがうまくいかない、という様々な困りごとの総称です。例えば、うんちが出にくくなる「便秘」や、うんちがゆるくなる「下痢」、さらには、うんちが意図せず漏れてしまう「便失禁」など、いろいろな形があります。これは、誰にでも起こりうる身近な問題ですが、長く続くと日常生活に大きな影響を与えてしまいます。

お腹の困りごとは、ただお腹が痛いというだけではありません。体がだるくなったり、学校の授業に集中できなかったり、といった体の不調にもつながることがあります。また、トイレの心配から友達との遊びや外出をためらったり、学校生活や人間関係に支障が出たりと、あなたの心や生活全体にも複雑な影響を及ぼしてしまうのです。これは、大人になってからも仕事や社会生活に支障をきたすことがある、とても大切な問題です。

このような排便に関する悩みは、「恥ずかしい」「誰にも言いたくない」と感じて、一人で抱え込んでしまう人がたくさんいます。しかし、排便障害は生活の質を大きく下げてしまうだけでなく、時には、体の他の病気が隠れているサインであることもあります。だからこそ、一人で悩まずに、早めにお医者さんや看護師さんといった医療の専門家に相談することがとても大切です。

私たち医療者は、お腹の調子が悪い患者さんの多くが、自分だけの解決策を模索し、専門的な情報やサポートが不足していると感じていることを知っています。しかし、食事や運動、お薬の使い方など、適切な対処法を見つけることで、症状を改善し、もっと快適な毎日を送れるようになります。例えば、直腸の手術を受けた方でも、食事の工夫や、体に合わせた活動、そして必要なお薬の管理をすることで、排便の困りごとと上手に付き合っていくことができます。

もし、お腹のことで困っていることがあれば、勇気を出して医療機関を受診してみてください。適切な診断とあなたに合った治療を受けることで、きっと楽になれます。

排便障害の種類

お腹の困りごとは、たくさんある「うんち」の困りごとの中でも、大きく二つの種類に分けられます。それは、「うんちが出にくい便秘」と「うんちが思わず漏れてしまう便失禁」です。この二つのどちらの困りごとが多いのかを知ることは、あなたに合った対策を考えるために、とても大切です。

うんちが出にくい便秘の困りごと

便秘は、うんちが硬くて出にくかったり、うんちの回数が少なかったり、出しきった感じがしなかったりする状態です。便秘には、体の病気が原因で起こる「器質性便秘」と、腸の動きやうんちの出し方に問題がある「機能性便秘」があります。

機能性便秘には、次のような種類があります。

  • 腸が疲れて、うんちを前に送る力が弱くなった便秘(弛緩性便秘)
  • お腹が張ったり、食欲が落ちたりすることがあります。
  • 腸がびっくりして、ぎゅーっと縮こまりすぎてしまう便秘(痙攣性便秘)
  • ストレスが原因で、うんちがコロコロと細くなったり、お腹が痛くなったりすることがあります。
  • うんちがゴールまで来ているのに、出口の筋肉がうまく開かない便秘(直腸性便秘)
  • これは「機能性排便障害」とも呼ばれ、うんちを出すときに、体の筋肉の連携がうまくいかないことで起こります。

この「うんちがゴールまで来ているのにうまく出せない便秘」に対しては、うんちを出す筋肉の使い方を練習する「バイオフィードバック訓練」が有効だと考えられています。最近の研究では、この訓練が、短期的にうんちの困りごとを良くする点で、他の治療よりも早く効果が出ることが分かっています。

うんちが思わず漏れてしまう便失禁の困りごと

便失禁は、自分の意思に反してうんちが漏れてしまう状態です。いくつかのタイプがあります。

  • 急にお腹が痛くなって、トイレまで間に合わないで漏れてしまうタイプ(切迫性便失禁)
  • うんちをしたいと思わないのに、ちょっぴり漏れてしまうタイプ(漏出性便失禁)

便失禁の治療にも、うんちを我慢したり、出したりする筋肉を上手に使う練習である「バイオフィードバック訓練」があります。この訓練は、病院で機械を使って行うことが多いのですが、最近では、お家で自分でできる「インターネットにつながる医療機器(IoMTデバイス)」を使った訓練も研究されています。このお家でできる訓練は、病院での治療と同じくらい効果があることが分かっていて、もっと多くの人が気軽に困りごとを解決できるようになるかもしれません。

お腹の調子を良くするためには、規則正しい時間にトイレに行く習慣をつけたり、うんちが出やすい座り方を身につけたりすることも、とても大切です。簡単な「排便習慣の訓練」だけでも、実は特別な治療と同じくらいの良い効果が期待できることもある、という研究結果もあります。自分のうんちのタイプを知り、どんな困りごとが多いのかを理解することが、快適な毎日への第一歩となるでしょう。

排便障害の原因

うんちの困りごとである排便障害は、一つの理由だけで起こるわけではありません。いろいろな原因が重なって、お腹の調子が悪くなってしまうことがほとんどです。ここでは、排便障害の主な原因を一緒に見ていきましょう。

1. 体の病気や変化が原因の場合

体の中に困ったことが起きると、うんちの出方に影響が出ることがあります。

  • お腹の病気
  • 腸がイライラして炎症を起こしたり
  • 体にできる悪いできもの(腫瘍)ができたりすると
  • うんちの通り道が狭くなったり
  • お腹の調子を崩したりします
  • お腹以外の体の病気
  • 例えば、体がうまく働かなくなる糖尿病や
  • 甲状腺(こうじょうせん)の病気など
  • 体全体のバランスが崩れることで
  • 腸の動きにも影響が出ることがあります
  • 手術の後の体の変化
  • お腹や腸の手術をすると
  • うんちの通り道やうんちをためておく場所の形が変わってしまうことがあります
  • 例えば、病気の部分を切り取って、残った腸をつなげると
  • うんちをためる袋が小さくなることもあります
  • すると、急にうんちがしたくなったり
  • トイレまで間に合わなかったりする困りごとが起こりやすくなります
  • このような体の変化は、うんちの困りごとだけでなく
  • 体がだるくなったり、学校の勉強に集中できなかったり
  • 友達と遊びに行くのが不安になったりという
  • 体と心に複雑な影響を与えることが、研究でもわかっています
  • だから、一人で抱え込まずに、先生や看護師さんといった専門家にお話を聞かせてほしいと
  • 私たちはいつも願っています

2. 生活習慣や心の状態が原因の場合

私たちの毎日の生活や、心の状態もうんちの出方に大きく関わっています。

  • 食べるものや飲みもの
  • お水をあまり飲まなかったり
  • 野菜や果物に含まれる食物繊維が足りなかったりすると
  • うんちが硬くなって、なかなか出にくくなります
  • 逆に、特定の食べ物や飲み物が原因で
  • うんちがゆるくなってしまうこともあります
  • 体を動かすこと
  • あまり体を動かさないでいると
  • お腹の筋肉が弱くなって、腸の動きが悪くなることがあります
  • 腸は、筋肉の力でうんちを前に送っているからです
  • 心のストレス
  • 嫌なことがあったり、心配なことが続いたりすると
  • お腹の調子を崩してしまうことがあります
  • 脳と腸は、いつも連絡を取り合っているので
  • 心が疲れると、腸の動きも乱れてしまうことがあるのです
  • お薬の副作用
  • 風邪薬や他の病気のお薬の中には
  • うんちを硬くしたり、ゆるくしたりする作用があるものもあります
  • もし、いつも飲んでいるお薬がある場合は
  • 先生や薬剤師さんに相談してみましょう

排便障害の原因は、このようにたくさんあります。自分のどんなところに原因があるのかを知ることが、うんちの困りごとを解決する最初の一歩になります。

排便障害の症状

排便障害の症状は、一人ひとりの体の状態や生活習慣によって、本当に様々です。 ただ「うんちが出にくい」「うんちが勝手に漏れてしまう」というだけではありません。 体だけでなく、学校での生活や友達との関係、そして心にも大きな影響が出てしまうことがあります。

例えば、このような困りごとがあります。

  • うんちの回数が変わる
  • うんちが何日も出ない「便秘(べんぴ)」や、
  • 一日に何度もトイレに行きたくなる「下痢(げり)」があります。
  • 健康な時は毎日気持ちよく出るはずのうんちが、うまく出なくなってしまうのです。
  • うんちの様子が変わる
  • うんちが硬くなりすぎて、出すときに痛かったり、
  • 反対に水のようにゆるくて、すぐにトイレに行きたくなってしまったりします。
  • 普段と違ううんちの様子は、体からのSOSサインかもしれません。
  • うんちを出すときの不快感
  • お腹が痛かったり、お腹がガスでパンパンに張って苦しかったり、
  • うんちを出しきった感じがせず、まだ残っているような気分になったりします。
  • おしりの穴が痛いと感じることもあります。
  • うんちが思わず漏れてしまう(便失禁)
  • 自分の気持ちとは関係なく、うんちやガスが漏れてしまうことがあります。
  • これは「どうしてだろう」と、とても心配になる症状です。
  • 体全体の元気がない
  • 食欲がわかなかったり、吐き気がしたり、
  • 体がだるくて、学校に行くのがつらくなったり、
  • 夜なかなか眠れなくなったりすることもあります。
  • これらは、うんちの困りごとと関係ないように見えて、実はつながっていることが多いのです。

うんちの困りごとが長く続くと、「友達と遊びに行きたくないな」と外出をためらったり、家族に心配をかけてしまったり、学校の勉強に集中できなかったりすることがあります。 研究でも、うんちの困りごとは、体の調子だけでなく、個人の生活、家族との関係、社会とのつながりまで、普段の生活に大きな影響を与えることがわかっています。 「もう治らないのかな」と不安になったり、イライラしたり、落ち込んだりすることもありますが、時には「少し良くなったかも」と、気持ちが少し明るくなることもあります。 このように、うんちの困りごとは、体と心、そして生活全体に影響を及ぼす、とても大きな問題なのです。 もし、このような症状に気づいたら、一人で抱え込まずに、お医者さんや周りの大人に相談してくださいね。

排便障害の検査・診断

うんちの困りごとは、体からの大切なSOSサインです。 何が原因で困っているのかをきちんと知ることが、あなたの体を元気にするための第一歩となります。 ただ闇雲に「うんちを出そう」と頑張るだけでは、解決しないことも多いのですね。 まずは、お医者さんと一緒に、なぜうんちの困りごとが起きているのかを「探る」ことから始めましょう。

はじめに、お医者さんがあなたやご家族から、うんちの様子や困っていることについて詳しくお聞きします。 「いつから、どんな症状で、どのくらいの頻度で困っているか」や、「普段どんな生活をしているか」など、たくさんの質問をするかもしれません。 また、お腹を触って診察する「身体診察(しんたいしんさつ)」も大切なステップです。 ご自宅で「うんち日誌」をつけていただくことも、診断の手がかりになることがあります。 毎日のうんちの記録は、体からの大切なメッセージとして、お医者さんのヒントになります。

より詳しく体の状態を調べるために、専門的な検査を行うこともあります。 例えば、「肛門直腸マノメトリー」という検査では、うんちの出口にある筋肉が、うんちを出すときにきちんと動いているかを確認します。 この検査は、うんちを出すときに、お尻の穴の筋肉のチームワークがうまくいかない「機能性排便障害(きのうせいはいべんしょうがい)」という状態を見つけるのに役立ちます。 ある研究では、この検査が、うんちを出す筋肉の状態を評価し、どんな治療が良いかを選ぶためにとても重要だと分かっています。 また、うんちの通り道に何か邪魔なものができていないかを確認するために、X線検査(レントゲン検査)や、細いカメラで中を診る内視鏡検査(ないしきょうけんさ)などが行われることもあります。

このような検査で、あなたのお腹の困りごとの原因が分かると、一人ひとりに合った治し方を見つけることができます。 中には、特別な治療をしなくても、毎日のうんちを出す習慣や生活を少し変えるだけで良くなる方もいらっしゃいます。 研究でも、専門家による「うんち習慣の訓練」だけでも、うんちの困りごとが改善する方もいることが分かっています。 さらに、未来の医療では、病院に行かなくても、お家で自分でできる「インターネットにつながる医療機器(IoMTデバイス)」を使った訓練も研究されています。 この新しいお家でできる訓練は、病院での治療と同じくらい効果があることが分かっていて、もっと多くの人が気軽に困りごとを解決できるようになるかもしれません。 正確な診断は、あなたの症状に合った、一番良い解決策を見つけるための第一歩なのです。

排便障害の治療

排便の困りごとを解決するための治療は、一人ひとりの体の状態や生活習慣、そして何に困っているかによって、まるでオーダーメイドの服を作るように、あなたにぴったりの方法を選んで進めます。治療のゴールは、うんちのお悩みを減らして、毎日を心から心地よく過ごせるようにすることです。私たち医師は、排便の困りごとを抱える皆さんが、時に治療法を選ぶことに迷いを感じることを知っています。

排便障害の治療には、大きく分けて3つの柱があります。

  • 生活習慣を整えること
  • 食べ物や飲み物、運動、トイレに行く習慣を見直します。
  • お薬の力を借りること
  • うんちを柔らかくしたり、腸の動きを助けたりするお薬を使います。
  • 専門的な訓練をすること
  • うんちを出すための正しい体の使い方を練習します。

うんちを出す筋肉のチームワークを学ぶ訓練

特に、うんちを出すときに「お尻の筋肉のチームワーク」がうまくいかない「排便協調運動障害(はいべんきょうちょううんどうしょうがい)」という状態があります。これは、うんちの出口にある筋肉が、うんちを出すときにうまくゆるまなかったり、かえって力が入ってしまったりする困りごとです。このような場合、特別な訓練がとても大切になります。

  • バイオフィードバック療法
  • この治療は、機械を使って、うんちを出すときのお尻の筋肉の動きを目で見えるようにしながら、正しい排便の仕方を練習します。
  • 例えば、うんちがなかなか出ない「便秘(べんぴ)」で悩んでいる小学生の皆さんには、この訓練がとても有効です。
  • ある研究では、このバイオフィードバック訓練は、便秘の困りごとを短い期間で良くしていく効果が、他のお薬の注射と比べても早く現れることが分かっています。
  • うんちの困りごとは、毎日の生活に大きく影響するため、早く良くなることはとても重要です。
  • さらに最近では、お医者さんのところに行かなくても、お家で自分でできる「インターネットにつながる医療機器(IoMTデバイス)」を使った訓練も研究されています。
  • このお家でできる訓練は、病院で受ける治療と同じくらい良い効果が期待できるだけでなく、安全で使いやすいことも分かっています。
  • これからは、もっと多くの人が気軽に、自分のペースでうんちの困りごとを解決できるようになるかもしれません。
  • ボツリヌス毒素A型(Aがた)注射
  • 排便協調運動障害の治療には、特別な注射を使う方法もあります。
  • これは「ボツリヌス毒素A型注射」と呼ばれるもので、排便を妨げているお尻の筋肉を一時的にゆるめることで、うんちを出しやすくする助けとなります。
  • この注射は、うんちの出口にある筋肉が、お医者さんの目には見えないけれど、ちゃんと正しい動きをするように助けてくれる働きがあることが、専門的な検査で分かっています。
  • ただし、お医者さんと相談して、あなたの状態に合うかを慎重に決める必要があります。

毎日の習慣を見直す「習慣訓練」

特別な訓練やお薬だけでなく、毎日の生活習慣を見直す「習慣訓練」も、うんちの困りごとを改善する上で、とても大切な治療法です。

  • 排便習慣の訓練
  • 専門の先生と一緒に、うんちを出す時間を決めたり、うんちが出やすい座り方を練習したりします。
  • 実は、この習慣訓練だけでも、排便の困りごとが良くなり、毎日を楽しく過ごせるようになることが研究で示されています。
  • 特別な機械を使った訓練と比べても、同じくらい効果がある場合もあるので、意外と大切な治療法です。
  • シンプルで安価な治療法でも、十分な効果が期待できることがあるのです。

排便障害の治療は、一つの方法だけを試すのではなく、複数の治療法を組み合わせることもよくあります。どんな方法があなたにとって一番良いのか、私たち医療者が一緒に考えていきますので、一人で悩まずに、ぜひ相談してください。私たちは、あなたがうんちの困りごとから解放され、笑顔で毎日を過ごせるようになることを心から願っています。