斜頸
いつも首をかしげているように見える…そんなご家族の仕草に、ふと気づいたことはありませんか?単なる癖だと思っているそのサインは、実は「斜頸(しゃけい)」という、首が傾いてしまう状態かもしれません。
赤ちゃんの斜頸で最も多いタイプは、約90%が1歳半までに自然に良くなるといわれ、過度な心配は不要なケースも多くあります。しかしその一方で、原因によっては専門家によるリハビリが重要になったり、まれに手術が必要になったりすることも事実です。
この記事では、見過ごされがちな斜頸の様々な種類と原因、そして近年の研究で有効性が認められている最新の治療法までを詳しく解説します。自己判断してしまう前に、まずは正しい知識を身につけ、大切なご家族のサインを見逃さないようにしましょう。
斜頸の概要
斜頸(しゃけい)とは、首が左右どちらかに傾いたままになり、 反対側へ首を動かしにくくなる状態のことです。 見た目には、いつも首をかしげているような姿勢に見えます。
斜頸には、以下のような特徴があります。
- 見た目の変化 常に首をかしげているような姿勢になります。
- 動きの制限 傾いている側とは反対の方向に首を動かしにくいです。
- 原因の多様性 生まれつきのものから、病気やケガが原因のものまで様々です。
- 発症する年齢 赤ちゃんからご高齢の方まで、幅広い年代で見られます。
斜頸の中で最も多いのは、生まれつき首の筋肉が硬いことが原因の 「先天性筋性斜頸」です。 このタイプの斜頸は、約90%が特別な治療をしなくても、 1歳半ごろまでに自然に良くなるといわれています。
しかし、原因によっては適切な治療が必要になることもあります。 特に、近年の多くの研究から、理学療法の重要性が見直されています。 専門家が首の動く範囲をゆっくり広げるリハビリテーションは、 「頸部受動的可動域訓練」と呼ばれ、その有効性が確認されています。 この結果、専門的な治療の指針でも、このリハビリが強く推奨される可能性があります。
このように、斜頸は自然に改善するものから専門的な治療が必要なものまで様々です。 首の傾きに気づいた際には、自己判断せずに専門の医療機関へ相談することが大切です。
斜頸の種類
斜頸は、原因によっていくつかの種類に分けられます。 生まれたときから症状がある「先天性斜頸」と、 成長の過程や大人になってから起こる「後天性斜頸」があります。
先天性斜頸
生まれつき、または生まれてすぐ症状が現れるタイプです。 代表的なものには、以下の3つがあります。
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種類 |
特徴 |
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先天性筋性斜頸 |
赤ちゃんの斜頸で最も多いタイプです。首の横にある筋肉(胸鎖乳突筋)が硬く縮むことで起こります。 |
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骨性斜頸 |
生まれつき首の骨(頸椎)の形にゆがみがあるために、首が傾いてしまうタイプです。 |
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眼性斜頸 |
斜視など目の問題が原因です。まっすぐ物を見ようとして、無意識に首を傾けてしまいます。 |
特に先天性筋性斜頸は、多くの研究が行われています。 専門家が首の動く範囲を広げるリハビリ(理学療法)が大切です。 近年では、このリハビリの有効性が科学的にも証明されています。 また、症状の重さによってご家族の心配事も異なると報告されています。
後天性斜頸
生まれた後、何らかの原因によって発症するタイプです。 以下のような種類があります。
- 炎症性斜頸(環軸関節回旋位固定) のどの炎症(扁桃炎)などが原因で、首の骨の関節がずれて起こります。 急に首が痛くなり、回らなくなることが多いのが特徴です。
- 痙性斜頸 首の周りの筋肉が、自分の意思とは関係なく緊張してしまう病気です。 首が曲がったり、震えたりします。
- 外傷性斜頸 事故などで首の骨や筋肉をケガすることによって起こります。
このように斜頸の原因は様々です。 どの種類なのかを正しく見極めることが、治療の第一歩となります。
斜頸の原因
斜頸が起こる原因は一つではありません。 生まれたときから症状がある「先天性」のものと、 成長の途中や大人になってから発症する「後天性」に分けられます。
先天性の原因
生まれつきの斜頸で最も多いのが「先天性筋性斜頸」です。 これは出産時に赤ちゃんの首の筋肉(胸鎖乳突筋)が伸び、 一時的に硬くなってしまうことが原因と考えられています。 症状の重さによってご家族の心配事が異なることも報告されています。
その他、以下のような原因もあります。
- 骨性斜頸(こつせいしゃけい) 生まれつき首の骨の形に特徴があることで起こります。
- 眼性斜頸(がんせいしゃけい) 斜視など、物を見る目の問題が原因となる状態です。 バランスをとろうとして無意識に首を傾けてしまいます。
後天性の原因
後から起こる斜頸は、年齢に関わらず誰にでも起こる可能性があります。
- 炎症性斜頸(えんしょうせいしゃけい) 風邪や扁桃炎などの炎症が、首の骨の関節に影響して起こります。
- けいれん性斜頸 首の筋肉が、自分の意思とは関係なく硬直してしまう病気です。
- その他 ケガや、まれに脳の病気が原因になることもあります。 また、周期的に斜頸の症状があらわれる「良性発作性斜頚」は、 片頭痛と関連がある症候群の一つと考えられています。
斜頸の症状
斜頸の症状で最も分かりやすいのは、見た目の変化です。 首が自然に左右どちらかへ傾き、まっすぐに保つのが難しくなります。 ご自身では気づきにくく、ご家族やまわりの人から指摘されて分かることもあります。
見た目の傾きに加えて、首の動きにくさも主な症状の一つです。
- 首の動きの制限 首が傾いている側とは反対の方向に、首を回したり傾けたりしにくくなります。 これを専門的には「可動域の制限」と呼び、無理に動かすと痛みを感じることがあります。
- 首のしこり 赤ちゃんの「先天性筋性斜頸」の場合、首の筋肉にしこりができることがあります。 このしこりは生後2〜3週で最も目立ちますが、その後は自然に小さくなることがほとんどです。 症状の重さによって、ご家族が抱える心配事も異なると報告されています。
斜頸の原因によっては、首の傾き以外にも注意すべき症状が伴います。
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原因の種類 |
主な症状 |
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炎症によるもの |
・首を動かしたときの痛み ・熱が出ること ・首のリンパ節の腫れ |
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目の問題によるもの |
・斜視(左右の目の向きがずれること) |
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耳の問題によるもの |
・めまい ・耳鳴り |
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骨や神経の問題 |
・手足の力が入りにくい(筋力低下) ・歩き方がふらつく、ぎこちない(異常歩行) ・手足のしびれや感覚の異常 |
特に、首の骨に不安定さがある場合は注意が必要です。 手足の筋力低下や、歩き方の異常といった症状が出ることがあります。 ある研究では、このような症状が手術を検討する重要なサインになると報告されています。 単に首が傾いているだけと考えず、早めに専門の医療機関へ相談することが大切です。
斜頸の検査・診断
斜頸は首が傾く見た目から気づかれますが、原因はさまざまです。 正しい治療のためには、なぜ首が傾いているのかを詳しく調べる必要があります。 まずは医師が目で見て、首に触れて状態を確認します。
問診と身体診察
はじめに、いつから首の傾きが気になったかなどをお伺いします。 次に、首をどのくらい動かせるか(頸部可動域)を慎重に確認します。 この「首が動く範囲」を正確に知ることが、診断や治療にとても大切です。
画像検査
体の内部を詳しく見るために、レントゲン検査やCT検査を行います。 骨の形に異常がないか、関節がずれていないかなどを調べます。 口を開けた状態で首の骨のレントゲン写真を撮ることもあります。
特に、ダウン症候群など特定の病気が背景にある場合は注意が必要です。 ある研究では、手足の筋力低下や歩き方の異常は注意すべきサインとされます。 レントゲンで骨のすき間を測ったり、MRI検査で神経の圧迫がないかを確認します。
その他の専門的な検査
目の動きが原因の「眼性斜頸」などが疑われることもあります。 その場合は、眼科や耳鼻咽喉科の医師による専門的な診察が必要です。 これらの検査とあわせ、頭の形が変わっていないか評価することもあります。 検査結果を総合的にみて、一人ひとりの状態に合わせた治療計画を立てます。
斜頸の治療
斜頸の治療方法は、首が傾いてしまう原因によって全く異なります。 だからこそ、なぜ首が傾いているのかを正しく突き止めることが、 治療への大切な第一歩になります。
最も多い「先天性筋性斜頸」は、特別な治療をしなくても、 約90%が1歳半ごろまでに自然に良くなるといわれています。 ご家庭では、傾いている側とは反対からおもちゃを見せたり、 音を出したりして、赤ちゃんが自然に首を動かすよう促します。
また医療機関では、理学療法というリハビリを行うことがあります。 近年の研究では、専門家が首をゆっくり動かすリハビリが、 とても効果的だと分かってきました。 この方法は「頸部受動的可動域訓練」と呼ばれ、 治療の指針でも強く推奨される可能性があるほど重要です。
一方で、原因によっては専門的な治療が必要になることもあります。
- 骨の異常が原因の場合(骨性斜頸) 生まれつき首の骨の形に特徴があるタイプです。 もし成長する中で、手足の力が弱くなったり、 歩き方がふらついたりした場合は、特に注意が必要です。 このような症状は、手術を検討するサインになると報告されています。
- 炎症が原因の場合 のどの炎症(扁桃炎など)が原因のこともあります。 この場合は、まず原因の病気をしっかり治すことが最優先です。 多くは、炎症が治まると首の傾きも自然と良くなります。
- その他の原因 目の問題が原因なら眼科、めまいが原因なら耳鼻咽喉科など、 それぞれの専門家による治療が必要になります。
このように治療法は様々です。 自己判断はせず、気になることがあれば早めに医師へ相談しましょう。













