性機能障害(男性)

「満足のいく性生活が送れない」——。男性にとって非常にデリケートなこの悩み、年齢やストレスのせいだと諦めていませんか?誰にも相談できず、一人で抱え込んでいる方も少なくないかもしれません。しかし、その不調は、体に隠れた別の病気が発生している重要なサインである可能性があります。

例えば、複数の信頼できる研究報告によると、甲状腺の病気を抱える男性は、そうでない方と比べて勃起不全のリスクが約9倍にも高まることが指摘されています。ご自身では気づいていない原因が、あなたの自信を奪っているのかもしれません。

この記事では、性機能障害の種類から心と体の両面にわたる原因までを詳しく解説します。希望を失う必要はありません。正しい知識を得ることが、改善への確かな第一歩となります。ぜひご自身の状況と照らし合わせながら、読み進めてみてください。

性機能障害(男性)の概要

性機能障害とは、満足のいく性生活を送ることが難しい状態です。 これは決して珍しいことではなく、年齢にかかわらず誰にでも起こります。 具体的には、以下のようなさまざまな状態が含まれます。

  • 性欲の障害 性的なことへの関心が薄れてしまう状態です。
  • 勃起の障害(ED) 勃起しなかったり、勃起を維持できなかったりする状態です。
  • 射精の障害 射精が早すぎたり、逆にできなかったりする状態です。
  • オルガズムの障害 性的な快感のピークに達することが難しい状態です。

これらの原因は「身体的な原因」と「心理的な原因」に分けられます。 しかし実際には、両方が複雑にからみあっている場合が多くあります。 身体の不調が自信のなさにつながり、心の不調を招くこともあります。

身体的な原因として、生活習慣病や加齢がよく知られています。 また、甲状腺の病気が隠れている可能性も考えなくてはなりません。 複数の研究結果を分析した報告によると、甲状腺機能亢進症の男性は、 勃起不全(ED)や早漏になりやすいことがわかっています。 しかし、原因の病気を治療することで性機能は改善する可能性があります。

一方で、仕事や人間関係のストレス、不安、うつ病なども原因です。 このように性機能障害は、心と体の両面から考えることが大切です。

性機能障害(男性)の種類

ひとことに男性の性機能障害といっても、そのお悩みは人それぞれです。 症状によっていくつかの種類に分けられ、それぞれ特徴が異なります。 ご自身の状態がどれにあてはまるかを知ることが、解決への第一歩です。

男性の性機能障害は、主に以下の5つのタイプに分けられます。 これらは一つだけでなく、複数が重なって現れることもあります。

障害の種類

主な状態

性欲の障害

性的なことへの関心や欲求が、以前より低下してしまう状態です。

勃起障害(ED)

満足な性行為のために、十分な勃起ができなかったり、維持できなかったりする状態です。

射精障害

射精が早すぎる(早漏)、遅すぎる(遅漏)、または全くできない状態を指します。

オルガズム障害

性的興奮がピークに達するのが難しい、または達することができない状態です。

陰茎の形の障害

勃起時に陰茎が曲がるなど、形の問題で性行為が難しくなってしまう状態です。

これらの障害は、ストレスや不安といった心の問題だけで起こるのではありません。 身体の病気が原因となっているケースも少なくないため、注意が必要です。

例えば、勃起障害や射精障害は、甲状腺の病気が隠れていることがあります。 複数の研究結果を分析した信頼性の高い報告があります。 それによると、甲状腺の働きが過剰になる「甲状腺機能亢進症」の男性は、 そうでない方に比べて勃起不全になるリスクが約9倍も高いことがわかっています。

しかし、希望を失う必要はありません。 原因となっている病気の治療をきちんと行うことで、性機能が改善する可能性は十分にあります。

性機能障害(男性)の原因

性機能障害の原因は一つではなく、様々な要因が複雑に絡み合います。 原因は大きく分けて、こころ、からだ、その両方に分けられます。

原因のタイプ

主な内容

こころの問題(心因性)

ストレスや不安、うつ病など、精神的な要因によるものです。

からだの問題(器質性)

生活習慣病やホルモン異常、神経の障害、薬の影響など、身体的な要因です。

混合性

こころとからだの両方の問題が合わさったものです。

こころの問題(心因性)

精神的なストレスや不安は、脳からの性的興奮の指令を妨げます。 特に若い世代の方に多く見られる傾向があります。

  • 性行為に対する不安 「うまくできるだろうか」というプレッシャーを感じてしまう状態です。
  • 日常生活のストレス 仕事や人間関係での過度なストレスや疲れも原因となります。
  • こころの不調 うつ病などの精神的な不調が影響することもあります。

からだの問題(器質性)

身体のどこかに原因があるもので、加齢とともに増える傾向があります。

  • 血管や血流の問題 動脈硬化や糖尿病などで血管が傷つき、陰茎への血流が悪くなります。
  • 神経の問題 糖尿病による神経障害や、前立腺の手術などで神経が傷つくことが原因です。
  • ホルモンの問題 甲状腺ホルモンが過剰になる病気(甲状腺機能亢進症)が隠れていることもあります。 複数の研究を分析した信頼性の高い報告があります。 それによると、この病気の男性はそうでない方と比べ、勃起不全のリスクが約9倍も高まることがわかっています。 しかし、原因の病気を治療することで性機能が改善する可能性は十分にあります。
  • 薬の影響 高血圧の薬や精神疾患の薬、一部のAGA治療薬などが原因となることもあります。 自己判断で薬をやめず、必ず医師に相談してください。

また、最初は身体の問題だったものが自信喪失につながり、 精神的な問題を引き起こす「混合性」のケースも少なくありません。

性機能障害(男性)の症状

性機能障害とひとことで言っても、そのお悩みは人によって様々です。 性的なことに関心を持つところから、射精にいたるまでの過程の、 どこか一部分に問題が起こることで、症状としてあらわれます。

ご自身の状態を正しく知るために、まずはどんな症状かを確認しましょう。

【代表的な症状の例】

  • 性欲の低下 性的なことへの関心や「したい」という気持ちが、 以前と比べて明らかに少なくなってしまう状態です。
  • 勃起障害(ED) 満足のいく性行為のために十分な硬さにならなかったり、 途中で萎えてしまったりする状態を指します。
  • 射精の障害 自分の意思とは関係なく、早く射精してしまう「早漏」や、 逆に時間がかかりすぎる「遅漏」、全く射精できない状態などがあります。
  • オルガズムの障害 射精はできても、性的な快感のピークを感じにくい、 または感じることができない状態です。

これらの症状は、実は他の病気が隠れているサインかもしれません。 例えば、甲状腺の働きが過剰になる病気(甲状腺機能亢進症)では、 勃起障害や早漏が起こりやすいことがわかっています。 複数の信頼できる研究を分析した報告によると、この病気の男性は、 そうでない方と比べ勃起障害のリスクが約9倍も高まるとされます。

【受診の目安となるチェックリスト】 次の症状は、血管や神経の異常を示している可能性があります。 一つでも当てはまる場合は、早めに医療機関へご相談ください。

☐ 朝や夜間に勃起することが全くない ☐ 歩くと足が痛くなり、休むと楽になる ☐ お尻や股間のまわりの感覚が鈍い感じがする

気になる症状があれば、一人で悩まず専門の医師に相談することが大切です。

性機能障害(男性)の検査・診断

性機能障害の診断では、まずお話を詳しく伺う「問診」が大切です。 どのような症状で悩んでいるか、生活習慣やストレスの状況、 治療中の病気や服用中のお薬など、正直にお話しいただくことが、 原因を見つけるための重要な手がかりになります。

次に、お体の状態を調べるために診察や検査を行うことがあります。 性機能障害には、他の病気が隠れている可能性も考えられるため、 原因を総合的に調べていくことが、改善への近道となります。

【主な検査内容】

  • 問診
  • 症状の内容や始まった時期、生活習慣、ストレスの有無などを伺います。
  • 特に朝勃ちがあるかどうかは、原因が体か心かを見分けるヒントになります。
  • 身体診察
  • 血圧を測ったり、陰茎や精巣の状態を直接確認したりします。
  • 血液検査
  • 体の中の状態を数字で詳しく調べることができます。
  • 男性ホルモンや、血糖値、コレステロールなどの値を確認します。
  • 甲状腺ホルモンの値を調べることも非常に重要です。

実は、甲状腺の働きが過剰になる病気(甲状腺機能亢進症)が、 勃起障害や早漏の原因となっていることがあります。 複数の信頼できる研究をまとめた報告によると、この病気の男性は、 そうでない方と比べ勃起障害のリスクが約9倍も高まるとされます。 しかし、原因である病気の治療で性機能が改善する可能性もあります。

これらの検査結果を総合的に判断し、診断を確定していきます。 気になる症状があれば、まずは専門の医師にご相談ください。

性機能障害(男性)の治療

性機能障害の治療は一つではなく、原因に合わせて様々な方法があります。 大切なのは、一人で悩まず専門の医師に相談することです。 ご自身の状態に合った治療法を一緒に見つけていきましょう。

主な治療法には、以下のような選択肢があります。

  • お薬による治療 勃起障害(ED)には、勃起を助ける飲み薬(PDE5阻害薬)がよく使われます。 このお薬は陰茎の血管を広げ、血の流れを良くして勃起をサポートします。 なお、不妊治療が目的の場合は、2022年4月から保険適用となりました。
  • 原因の病気を治す 他の病気が性機能障害を引き起こしていることも少なくありません。 例えば、甲状腺の働きが活発すぎる病気(甲状腺機能亢進症)では、 勃起不全のリスクが約9倍高まるという信頼性の高い報告があります。 しかし、原因の病気を治療することで性機能も改善する可能性があります。
  • 生活習慣の見直し 肥満や喫煙、過度な飲酒は血管を傷つけ、性機能に悪影響を与えます。 禁煙やお酒を控えるなど、健康的な生活を心がけることも大切な治療です。 体重を減らすだけで症状が改善することもあります。
  • その他の治療法 お薬の効果が十分でない場合や、心理的な要因が強い場合もあります。 専用の器具を使ったり、専門の施設で注射や手術を検討したりします。 また、不安やストレスが原因であれば、カウンセリングも有効な方法です。