ED

「硬さが足りない」「途中で萎えてしまう」といったお悩みはありませんか?ED(勃起不全)は非常にデリケートな問題ですが、決してあなた一人だけの悩みではありません。日本の調査では、40代で約5人に1人、50代では約2.5人に1人がEDに悩んでいると報告されており、誰にでも起こりうる身近な症状なのです。

EDは単なる性的な問題だけでなく、糖尿病や高血圧といった生活習慣病が隠れている「体からのサイン」かもしれません。最近では、新型コロナウイルス感染症が勃起機能に影響を与える可能性も指摘されています。

この記事では、EDの様々な原因や種類、ご自身に合った治療法までを詳しく解説します。放置せずにご自身の状態を正しく理解し、自信を取り戻すための一歩としてぜひお役立てください。

EDの概要

ED(勃起不全)とは、満足のいく性行為を行うために、十分な勃起が得られない、または維持できない状態を指します。

「たまにうまくいかない」といった一時的なものではありません。「硬さが足りない」「途中で萎えてしまう」など、ご自身が勃起に満足できない場合もEDに含まれます。

EDは決して珍しい悩みではなく、日本の調査では以下の割合で悩む方がいると報告されています。

  • 40歳代
  • 約5人に1人
  • 50歳代
  • 約2.5人に1人

このように、EDは年齢を重ねるにつれてその割合は高くなりますが、若い世代でもEDに悩む方は少なくありません。

EDは単に性的な問題だけでなく、体からの健康状態を示すサインである場合もあります。糖尿病や高血圧などの生活習慣病が、血管や神経に影響を与えてEDを引き起こすことはよく知られています。

最近では、新型コロナウイルス(COVID-19)のような感染症が、EDにつながる可能性も指摘されています。ある研究では、新型コロナウイルスへの感染が精巣の機能に影響を与え、男性ホルモン(テストステロン)の数値を下げる可能性が示されました。これは、感染症による体へのダメージが、勃起機能に影響しうることを示唆しています。

EDについて正しく理解し、気になることがあれば専門のクリニックに相談することが大切です。

EDの種類

ED(勃起不全)は、原因によっていくつかの種類に分けられます。 ご自身の状態がどのタイプかを知ることが、適切な治療への第一歩です。 EDは、主に以下の4つの種類に分類されます。

種類

原因の場所

特徴

器質性ED

体

血管や神経など、体のどこかに原因がある

心因性ED

心

ストレスや不安など、心の問題が原因

混合性ED

体と心

体と心の両方の原因が合わさっている

薬剤性ED

薬

服用しているお薬の副作用が原因

器質性ED

体に何らかの物理的な原因があって起こるEDです。 血管や神経、ホルモンの異常などが関係しています。

  • 血管の問題 動脈硬化などで血管が硬くなると、血流が悪くなります。 勃起に必要な血液が、陰茎に十分に流れ込まない状態です。 糖尿病や高血圧などの生活習慣病は、動脈硬化の主な原因です。
  • 神経の問題 脳や背骨の病気やケガ、前立腺の手術などで神経が傷つくと、 脳からの「勃起せよ」という命令がうまく伝わらなくなります。
  • その他の問題 加齢による男性ホルモン(テストステロン)の減少も原因の一つです。 最近の研究では、新型コロナウイルス感染症が精巣の機能に影響し、 テストステロンを低下させる可能性も指摘されています。

心因性ED

体の機能に問題がなく、心理的な原因で起こるEDです。 「また失敗したらどうしよう」という不安が、心のブレーキになります。 特に若い世代の方にみられることが多いとされています。 仕事のプレッシャーやパートナーとの関係も引き金になり得ます。

混合性ED

実は、臨床現場で最も多いのがこの混合性EDです。 器質性EDと心因性EDの両方の原因が合わさっています。 例えば、加齢で少し勃起しにくくなった(器質性)ことがきっかけで、 「またダメかも」という不安(心因性)が加わり、症状が悪化します。 このように、体と心の両面から悪循環に陥るケースです。

薬剤性ED

服用しているお薬の副作用として起こるEDです。 降圧剤や抗うつ薬など、一部の薬が原因となることがあります。 お薬が原因かもしれないと思っても、絶対に自己判断で中止しないでください。 元の病気が悪化する危険があるため、必ず処方した医師に相談しましょう。

EDの原因

ED(勃起不全)が起こる原因は一つではありません。 体の問題、心の問題、お薬の影響などが考えられます。 多くの場合、これらの原因がいくつか重なって影響しています。

ご自身の状態を理解するため、原因を詳しく見ていきましょう。

体の問題(器質性ED)

勃起に関わる血管や神経、ホルモンに問題がある状態です。 特に生活習慣病は、血管の老化(動脈硬化)を進めます。 血管が硬くなると血流が悪くなり、勃起に必要な血液が、 陰茎に十分に流れ込まなくなってしまいます。

また、脳や背骨の病気、ケガ、手術などで神経が傷つくと、 脳からの「勃起せよ」という命令がうまく伝わりません。

最近では、新型コロナウイルス感染症の影響も指摘されています。 ある研究では、ウイルス感染が精巣の機能に直接影響し、 男性ホルモン(テストステロン)の数値を下げる可能性が示されました。 これは感染症による体へのダメージが、勃起に影響しうることを示唆します。

まれに、嚢胞性線維症(のうほうせいせんいしょう)のような、 遺伝的な病気が原因となることもあります。

心の問題(心因性ED)

体の機能に問題がなく、心理的な原因で起こるEDです。 「心のブレーキ」がかかっているような状態をイメージしてください。 特に若い世代の方にみられることが多いとされています。

  • 過去の失敗体験 一度うまくいかなかった経験が、心に引っかかっている状態です。
  • 強い不安 「また失敗したらどうしよう」という不安が、心のブレーキになります。
  • ストレス 仕事やパートナーとの関係など、精神的なストレスも原因になります。

お薬の影響(薬剤性ED)

服用しているお薬の副作用として、EDの症状が出ることがあります。 高血圧のお薬や、精神安定剤、抗うつ薬などが原因となりえます。

お薬が原因かもしれないと思っても、絶対に自己判断でやめないでください。 元の病気が悪化する危険があるため、必ず処方した医師に相談しましょう。

EDの症状

ED(勃起不全)の症状は「全く勃起しない」状態だけではありません。 ご自身が性行為に満足できないと感じる場合、それはEDのサインです。

具体的には、以下のようなお悩みもEDの症状に含まれます。 ご自身の状態と照らし合わせてみてください。

  • 勃起の開始に関する悩み 性的な興奮や刺激を受けても、なかなか勃起が起こりにくい。
  • 勃起の硬さに関する悩み 勃起はするものの、性行為を行うのに十分な硬さにならない。
  • 勃起の維持に関する悩み 一度は勃起しても、性行為の途中で萎えてしまい維持できない。

これらの症状は、体の問題だけでなく、心理的な不安や自信のなさから生じることもあります。

ご自身の状態を客観的に把握する目安として、「勃起の硬さスコア(EHS)」があります。 挿入が可能とされるグレード3以上かどうかが、一つの基準になります。

勃起の硬さスコア(EHS)

解説

グレード0

陰茎は大きくならない。

グレード1

陰茎は大きくなるが、硬くはない。(豆腐のような硬さ)

グレード2

陰茎は硬いが、挿入には不十分。(皮をむいたバナナ)

グレード3

挿入には十分硬いが、完全ではない。(皮つきバナナ)

グレード4

完全に硬く、硬直している。(きゅうりのような硬さ)

EDの症状は、他の病気が隠れているサインの可能性も考えられます。 例えば、新型コロナウイルスなどの感染症に関する研究では、 ウイルスが精巣の機能に影響を与える可能性が示されています。 これにより男性ホルモン(テストステロン)の数値が下がり、 EDの症状として現れることがあるのです。

また、嚢胞性線維症のような特定の病気では、 性腺機能の低下がみられることも報告されています。 気になる症状があれば、放置せずに専門医へご相談ください。

EDの検査・診断

ED(勃起不全)の診断は、まずお話をじっくり伺うことから始まります。 原因を正確に見つけるため、とても大切な時間です。 少し話しにくいことかもしれませんが、正直にお聞かせください。

診断では、国際的な質問票(IIEF5)を使い、状態を客観的に評価します。 その上で、主に以下のような内容を丁寧にお伺いしていきます。

  • 症状について いつから、どのような状況で勃起しにくいかをお聞きします。
  • 生活習慣 食事や運動の習慣、喫煙や飲酒の状況などを確認します。
  • これまでのご病気や手術歴 糖尿病や高血圧、手術の経験はEDに影響することがあります。
  • 最近の体調変化 最近では、新型コロナウイルス感染症が精巣の機能に影響し、 男性ホルモンの値を下げる可能性が研究で示されています。 そのため、最近かかった感染症についてもお伺いします。
  • 服用中のお薬 お薬の副作用が原因のこともあるため、お薬手帳をご持参ください。

次に行うのが、お体の診察や検査です。

  • 身体診察 陰茎や精巣に、形などの異常がないかを確認します。
  • 血液検査 生活習慣病の有無や、男性ホルモン(テストステロン)の値を調べます。 ホルモン値の低下は、感染症や、まれに遺伝的な病気が原因のこともあり、 原因を探る上で非常に重要な検査です。
  • 特殊な検査 必要に応じて、超音波で陰茎の血流をみる検査などを行うこともあります。

これらの結果をパズルのように組み合わせ、原因を総合的に判断します。 その上で、あなたに合った治療方針を一緒に考えていきましょう。

EDの治療

ED(勃起不全)の治療は、原因やあなたの状態に合わせて方法を選びます。 目的は、満足できる勃起を取り戻し、自信のある生活を送ることです。 治療の基本は、お薬だけに頼るのではなく、原因に目を向けることです。

実は、治療の第一歩は、生活習慣を見直すことから始まります。 EDの多くは、血管の老化が原因で起こるためです。 健康的な生活は、EDの改善と予防に直接つながります。

  • 生活習慣の改善
  • 禁煙する タバコは血管を縮め、血の流れを悪くする大きな原因です。
  • バランスの取れた食事 野菜や魚を中心とした食事は、血管を健康に保ちます。
  • 定期的な運動 ウォーキングなどの有酸素運動は、血流を改善します。
  • お酒を飲みすぎない 適度な飲酒を心がけ、神経の働きを守りましょう。

治療の中心となるのは、PDE5阻害薬という飲み薬です。 性的興奮があった時に、陰茎への血流を増やし、自然に近い勃起を助けます。 あくまで「勃起のサポート」であり、興奮がなければ効果はありません。

お薬で効果が不十分な場合や、他の原因がある場合は別の治療を考えます。 例えば、新型コロナウイルス感染症が精巣に影響し、男性ホルモンが減ることがあります。 ある研究では、感染によってテストステロンの値が下がる可能性が示されました。 このようなホルモンの低下には、男性ホルモン補充療法が有効な場合があります。 また、嚢胞性線維症(のうほうせいせんいしょう)といった特定の病気が原因で、 性腺機能の低下が見られることもあり、その場合は原因疾患の治療も重要です。

不安やストレスが原因の場合は、カウンセリングも大切な治療法です。 あなたに合った治療法を見つけるため、まずは専門医にご相談ください。