「おとなしいがん」とも呼ばれる甲状腺がん。しかし、日本では年間約1万8,800人が診断されており、特に女性は男性の約2.8倍も多く、20〜30代の若い世代での発症も珍しくありません。
その原因はまだ明確にわかっていませんが、実は、心の健康状態との意外な関連性が最新の研究で注目されています。遺伝的にうつ病になりやすい特徴を持つ人は、そうでない人と比べて甲状腺がんになる可能性が約4倍高まるかもしれないのです。
この記事では、甲状腺がんの原因や症状、最新の治療法まで詳しく解説します。多くは進行がゆっくりだからこそ、正しい知識を持つことが早期発見への第一歩です。ご自身の体を守るために、ぜひ参考にしてください。
甲状腺がんの概要
甲状腺は、のどぼとけのすぐ下にある小さな臓器です。 蝶が羽を広げたような形をしており、重さは10〜20gほどです。 体の新陳代謝を活発にする「甲状腺ホルモン」を分泌します。 甲状腺がんは、この甲状腺にできてしまうがんのことです。
日本では、1年間に約1万8,800人の方が甲状腺がんと診断されます。 特に女性に多く、男性の約2.8倍です。 女性の場合は20〜30代の比較的若い世代での発症も珍しくありません。
甲状腺がんの明確な原因はまだはっきりとはわかっていません。 しかし、近年の研究では、心の健康状態との関連も注目されています。 遺伝的な特徴を分析した大規模な研究によると、以下のような可能性が示唆されています。
- 大うつ病性障害 遺伝的にこの病気になりやすい特徴を持つ方は、そうでない方と比べて、甲状腺がんになる可能性が約4倍高まるかもしれません。
- 統合失調症 遺伝的にこの病気になりやすい特徴を持つ方は、甲状腺がんになる可能性が約1.5倍高まるかもしれません。
ただし、これはあくまで統計的な関連性を示すものです。 遺伝的な特徴があるからといって、必ずがんになるわけではありません。
甲状腺がんの多くは、他のがんに比べて進行がとてもゆっくりです。 そのため「おとなしいがん」とも呼ばれ、早期に発見して適切な治療を受ければ、良好な経過が期待できます。
甲状腺がんの種類
「甲状腺がん」と一言でいっても、実はいくつかの種類があります。 がん細胞の見た目や性質によって、がんの性格は大きく異なります。 性格が違えば、進行の速さや治療方針も変わってきます。 そのため、どの種類のがんかを知ることが治療の第一歩になります。
甲状腺がんの多くは、進行が比較的ゆっくりな「分化がん」です。 これは、がん細胞の顔つきが、元の甲状腺の細胞に似ているタイプです。 分化がんは、主に以下の2つに分けられます。
- 乳頭(にゅうとう)がん 甲状腺がん全体の約9割を占める、最も多い種類です。 進行がとてもゆっくりで、おとなしい性格のがんといえます。 ただし、首のリンパ節に転移しやすい特徴があります。
- 濾胞(ろほう)がん 甲状腺がんの約5%を占める種類です。 リンパ節への転移は少ないですが、血液の流れに乗ります。 肺や骨など、遠くの臓器に転移することがあります。
その他、比較的まれですが、注意が必要な種類もあります。
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がんの種類
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特徴
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髄様(ずいよう)がん
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約1〜2%とまれながんです。一部は遺伝することが知られています。
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未分化(みぶんか)がん
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約1〜2%とまれですが、進行が非常に速い悪性度の高いがんです。
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悪性リンパ腫
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甲状腺にできる血液のがんです。自己免疫疾患の橋本病の方に発生しやすい傾向があります。
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このように、甲状腺がんには様々な種類が存在します。 ご自身の状態を正しく把握するためにも、まずは検査を受けましょう。 そして、正確な診断のもとで適切な治療計画を立てることが大切です。
甲状腺がんの原因
甲状腺がんができる明確な原因は、まだ完全にはわかっていません。 しかし、これまでの研究により、いくつかの要因が関係しているとされます。
代表的な要因は、子どもの頃に首へ放射線治療を受けた経験です。 また、髄様(ずいよう)がんという特殊な種類では遺伝も関わります。 近年、他の病気との関連も注目されています。
- 心の病気との関連 遺伝情報を分析した大規模な研究で、新たな可能性が示されました。 遺伝的にうつ病や統合失調症になりやすい方は、甲状腺がんのリスクも高まるかもしれません。 これは、心と体の健康が深くつながっていることを示す一例です。
- 自己免疫の病気との関連 関節リウマチなど、自分の体を攻撃してしまう病気のことです。 このような病気の方は、そうでない方と比べ、甲状腺がんを含む頭や首のがんのリスクが約2.3倍高まるという報告があります。 甲状腺の代表的な自己免疫疾患である橋本病も、甲状腺の悪性リンパ腫という腫瘍と関連が知られています。
これらの要因が当てはまるからといって、必ずがんになるわけではありません。 遺伝や生活習慣、環境などが複雑に絡み合って発症すると考えられています。
甲状腺がんの症状
甲状腺がんは進行がゆっくりなため、「おとなしいがん」とも呼ばれます。 そのため、初期の段階では自覚できる症状がほとんどないのが特徴です。 しかし、がんが大きくなるにつれて、首の周りにサインが現れ始めます。 早期発見のため、ご自身の体の変化に注意を向けてみましょう。
【甲状腺がんのセルフチェックリスト】 ご自身の体調と見比べ、当てはまるものがないか確認してください。
- □ のどぼとけの下あたりにしこりがある がん細胞のかたまりが、触れることでわかるようになります。
- □ 首の横(リンパ節)が腫れている がんが首のリンパ節に転移すると、その部分が腫れてきます。
- □ 声がかすれてきた 声を出すための神経(反回神経)をがんが圧迫するためです。
- □ 食べ物や飲み物が飲み込みにくい 食道ががんによって圧迫されることで、飲み込みにくさを感じます。
- □ 呼吸がしづらい、息苦しい 空気の通り道である気管が、がんによって狭くなるためです。
これらの症状は、がんが大きくなって周りの臓器に影響を与えるサインです。 また、近年の研究では、食生活との関連も注目されています。 ある研究では、100%果汁を毎日コップ1杯(約250mL)飲む習慣は、甲状腺がんのリスクと関連する可能性が示されました。 ただし、この関連性の証拠はまだ十分ではなく、今後の研究が待たれます。
もし、チェックリストに当てはまる項目があったり、気になる変化を感じたりした場合は、自己判断は禁物です。 症状が長く続くようであれば、専門の医療機関を受診し、医師に相談してください。
甲状腺がんの検査・診断
首のしこりなど、甲状腺がんかもしれないサインに気づいたら、検査が必要です。 がんかどうかを正確に突き止め、最適な治療法を見つけるための大切なステップです。 検査は、主に以下の流れで進められます。
- 問診と触診 はじめに、医師が症状やこれまでの病気について詳しくお話を伺います。 過去の病気も診断のヒントになることがあります。 例えば、自分の体を間違って攻撃してしまう病気(自己免疫性リウマチ性疾患)の方は、そうでない方と比べて、甲状腺がんを含む頭や首のがんのリスクが約2.3倍高まるという研究報告があります。 また、以前使っていた胃のお薬(ラニチジン)を心配される方もいますが、大規模な研究でがんのリスクとの関連はないと報告されているため、ご安心ください。 その後、医師が首を直接触り、しこりの大きさや硬さ、動きなどを丁寧に確認します。
- 超音波(エコー)検査 首にゼリーを塗り、超音波を出す機械を当てて甲状腺の内部を観察します。 痛みはなく、体への負担が少ない検査です。 この検査で、しこりの大きさや形、性質(良さそうか悪そうか)がおおよそわかります。 また、周りのリンパ節にがんが移っていないかも確認できます。
- 穿刺吸引細胞診(せんしきゅういんさいぼうしん) 診断をはっきりさせるために、とても重要な検査です。 超音波でしこりの場所を見ながら、細い注射針を刺します。 そして、細胞を少しだけ吸い取り、顕微鏡でがん細胞がいるかを詳しく調べます。
これらの検査でがんと診断された場合は、さらに詳しく調べることもあります。 がんの広がりや、他の場所に転移がないかを確認するために、CT検査などを追加します。 すべての検査結果を合わせて、一人ひとりに合った治療計画を立てていきます。
甲状腺がんの治療
甲状腺がんの治療法は、決して一つだけではありません。 がんの種類や大きさ、患者さんの年齢や体の状態を考えます。 そして、一人ひとりに合った最適な方法を慎重に選びます。 治療の選択肢は主に以下の4つです。
- 手術(外科治療) がんを取り除く、治療の基本となる方法です。 がんの大きさや広がり具合によって、切り取る範囲が変わります。 甲状腺をすべて取るか、一部を残すかを慎重に判断します。
- 放射線治療 甲状腺が「ヨウ素」という栄養を取り込む性質を利用します。 放射線を出す特別なヨウ素を飲むことで、がん細胞を体の内側から攻撃する方法です。 これを「放射性ヨウ素内用療法」と呼びます。
- 薬物療法 手術後にがんが再び現れるのを防いだり、進行を抑えたりします。 治療で使うお薬の安全性は、十分に確認されたものです。 例えば、以前がんのリスクが心配された胃薬がありました。 しかし、その後の大規模な国際研究では、他のお薬と比べてリスクを高めるという証拠は見つかっていません。
- 経過観察 がんの進行がとてもゆっくりで、サイズが小さい場合に選ばれます。 すぐに治療はせず、定期的な検査で注意深く様子を見守ります。 「おとなしいがん」とも呼ばれる甲状腺がんならではの選択肢です。
また、治療後の生活習慣も大切です。 ある研究では、100%果汁を毎日コップ1杯(約250mL)飲むと、甲状腺がんのリスクが少し高まる可能性が示されました。 しかし、この情報の確実性はまだ低いとされています。 ご自身の治療については主治医とよく相談し、納得して進めていきましょう。
甲状腺がんの概要
甲状腺は、のどぼとけのすぐ下にある小さな臓器です。 蝶が羽を広げたような形をしており、重さは10〜20gほどです。 体の新陳代謝を活発にする「甲状腺ホルモン」を分泌します。 甲状腺がんは、この甲状腺にできてしまうがんのことです。
日本では、1年間に約1万8,800人の方が甲状腺がんと診断されます。 特に女性に多く、男性の約2.8倍です。 女性の場合は20〜30代の比較的若い世代での発症も珍しくありません。
甲状腺がんの明確な原因はまだはっきりとはわかっていません。 しかし、近年の研究では、心の健康状態との関連も注目されています。 遺伝的な特徴を分析した大規模な研究によると、以下のような可能性が示唆されています。
- 大うつ病性障害 遺伝的にこの病気になりやすい特徴を持つ方は、そうでない方と比べて、甲状腺がんになる可能性が約4倍高まるかもしれません。
- 統合失調症 遺伝的にこの病気になりやすい特徴を持つ方は、甲状腺がんになる可能性が約1.5倍高まるかもしれません。
ただし、これはあくまで統計的な関連性を示すものです。 遺伝的な特徴があるからといって、必ずがんになるわけではありません。
甲状腺がんの多くは、他のがんに比べて進行がとてもゆっくりです。 そのため「おとなしいがん」とも呼ばれ、早期に発見して適切な治療を受ければ、良好な経過が期待できます。
甲状腺がんの種類
「甲状腺がん」と一言でいっても、実はいくつかの種類があります。 がん細胞の見た目や性質によって、がんの性格は大きく異なります。 性格が違えば、進行の速さや治療方針も変わってきます。 そのため、どの種類のがんかを知ることが治療の第一歩になります。
甲状腺がんの多くは、進行が比較的ゆっくりな「分化がん」です。 これは、がん細胞の顔つきが、元の甲状腺の細胞に似ているタイプです。 分化がんは、主に以下の2つに分けられます。
- 乳頭(にゅうとう)がん 甲状腺がん全体の約9割を占める、最も多い種類です。 進行がとてもゆっくりで、おとなしい性格のがんといえます。 ただし、首のリンパ節に転移しやすい特徴があります。
- 濾胞(ろほう)がん 甲状腺がんの約5%を占める種類です。 リンパ節への転移は少ないですが、血液の流れに乗ります。 肺や骨など、遠くの臓器に転移することがあります。
その他、比較的まれですが、注意が必要な種類もあります。
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がんの種類
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特徴
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髄様(ずいよう)がん
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約1〜2%とまれながんです。一部は遺伝することが知られています。
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未分化(みぶんか)がん
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約1〜2%とまれですが、進行が非常に速い悪性度の高いがんです。
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悪性リンパ腫
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甲状腺にできる血液のがんです。自己免疫疾患の橋本病の方に発生しやすい傾向があります。
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このように、甲状腺がんには様々な種類が存在します。 ご自身の状態を正しく把握するためにも、まずは検査を受けましょう。 そして、正確な診断のもとで適切な治療計画を立てることが大切です。
甲状腺がんの原因
甲状腺がんができる明確な原因は、まだ完全にはわかっていません。 しかし、これまでの研究により、いくつかの要因が関係しているとされます。
代表的な要因は、子どもの頃に首へ放射線治療を受けた経験です。 また、髄様(ずいよう)がんという特殊な種類では遺伝も関わります。 近年、他の病気との関連も注目されています。
- 心の病気との関連 遺伝情報を分析した大規模な研究で、新たな可能性が示されました。 遺伝的にうつ病や統合失調症になりやすい方は、甲状腺がんのリスクも高まるかもしれません。 これは、心と体の健康が深くつながっていることを示す一例です。
- 自己免疫の病気との関連 関節リウマチなど、自分の体を攻撃してしまう病気のことです。 このような病気の方は、そうでない方と比べ、甲状腺がんを含む頭や首のがんのリスクが約2.3倍高まるという報告があります。 甲状腺の代表的な自己免疫疾患である橋本病も、甲状腺の悪性リンパ腫という腫瘍と関連が知られています。
これらの要因が当てはまるからといって、必ずがんになるわけではありません。 遺伝や生活習慣、環境などが複雑に絡み合って発症すると考えられています。
甲状腺がんの症状
甲状腺がんは進行がゆっくりなため、「おとなしいがん」とも呼ばれます。 そのため、初期の段階では自覚できる症状がほとんどないのが特徴です。 しかし、がんが大きくなるにつれて、首の周りにサインが現れ始めます。 早期発見のため、ご自身の体の変化に注意を向けてみましょう。
【甲状腺がんのセルフチェックリスト】 ご自身の体調と見比べ、当てはまるものがないか確認してください。
- □ のどぼとけの下あたりにしこりがある がん細胞のかたまりが、触れることでわかるようになります。
- □ 首の横(リンパ節)が腫れている がんが首のリンパ節に転移すると、その部分が腫れてきます。
- □ 声がかすれてきた 声を出すための神経(反回神経)をがんが圧迫するためです。
- □ 食べ物や飲み物が飲み込みにくい 食道ががんによって圧迫されることで、飲み込みにくさを感じます。
- □ 呼吸がしづらい、息苦しい 空気の通り道である気管が、がんによって狭くなるためです。
これらの症状は、がんが大きくなって周りの臓器に影響を与えるサインです。 また、近年の研究では、食生活との関連も注目されています。 ある研究では、100%果汁を毎日コップ1杯(約250mL)飲む習慣は、甲状腺がんのリスクと関連する可能性が示されました。 ただし、この関連性の証拠はまだ十分ではなく、今後の研究が待たれます。
もし、チェックリストに当てはまる項目があったり、気になる変化を感じたりした場合は、自己判断は禁物です。 症状が長く続くようであれば、専門の医療機関を受診し、医師に相談してください。
甲状腺がんの検査・診断
首のしこりなど、甲状腺がんかもしれないサインに気づいたら、検査が必要です。 がんかどうかを正確に突き止め、最適な治療法を見つけるための大切なステップです。 検査は、主に以下の流れで進められます。
- 問診と触診 はじめに、医師が症状やこれまでの病気について詳しくお話を伺います。 過去の病気も診断のヒントになることがあります。 例えば、自分の体を間違って攻撃してしまう病気(自己免疫性リウマチ性疾患)の方は、そうでない方と比べて、甲状腺がんを含む頭や首のがんのリスクが約2.3倍高まるという研究報告があります。 また、以前使っていた胃のお薬(ラニチジン)を心配される方もいますが、大規模な研究でがんのリスクとの関連はないと報告されているため、ご安心ください。 その後、医師が首を直接触り、しこりの大きさや硬さ、動きなどを丁寧に確認します。
- 超音波(エコー)検査 首にゼリーを塗り、超音波を出す機械を当てて甲状腺の内部を観察します。 痛みはなく、体への負担が少ない検査です。 この検査で、しこりの大きさや形、性質(良さそうか悪そうか)がおおよそわかります。 また、周りのリンパ節にがんが移っていないかも確認できます。
- 穿刺吸引細胞診(せんしきゅういんさいぼうしん) 診断をはっきりさせるために、とても重要な検査です。 超音波でしこりの場所を見ながら、細い注射針を刺します。 そして、細胞を少しだけ吸い取り、顕微鏡でがん細胞がいるかを詳しく調べます。
これらの検査でがんと診断された場合は、さらに詳しく調べることもあります。 がんの広がりや、他の場所に転移がないかを確認するために、CT検査などを追加します。 すべての検査結果を合わせて、一人ひとりに合った治療計画を立てていきます。
甲状腺がんの治療
甲状腺がんの治療法は、決して一つだけではありません。 がんの種類や大きさ、患者さんの年齢や体の状態を考えます。 そして、一人ひとりに合った最適な方法を慎重に選びます。 治療の選択肢は主に以下の4つです。
- 手術(外科治療) がんを取り除く、治療の基本となる方法です。 がんの大きさや広がり具合によって、切り取る範囲が変わります。 甲状腺をすべて取るか、一部を残すかを慎重に判断します。
- 放射線治療 甲状腺が「ヨウ素」という栄養を取り込む性質を利用します。 放射線を出す特別なヨウ素を飲むことで、がん細胞を体の内側から攻撃する方法です。 これを「放射性ヨウ素内用療法」と呼びます。
- 薬物療法 手術後にがんが再び現れるのを防いだり、進行を抑えたりします。 治療で使うお薬の安全性は、十分に確認されたものです。 例えば、以前がんのリスクが心配された胃薬がありました。 しかし、その後の大規模な国際研究では、他のお薬と比べてリスクを高めるという証拠は見つかっていません。
- 経過観察 がんの進行がとてもゆっくりで、サイズが小さい場合に選ばれます。 すぐに治療はせず、定期的な検査で注意深く様子を見守ります。 「おとなしいがん」とも呼ばれる甲状腺がんならではの選択肢です。
また、治療後の生活習慣も大切です。 ある研究では、100%果汁を毎日コップ1杯(約250mL)飲むと、甲状腺がんのリスクが少し高まる可能性が示されました。 しかし、この情報の確実性はまだ低いとされています。 ご自身の治療については主治医とよく相談し、納得して進めていきましょう。