指骨骨折

「イタッ!」ドアに指を挟んだ、スポーツでボールが当たった。そんな日常のささいな出来事で起こる指の痛み、「ただの突き指だから大丈夫」と軽く考えていませんか?その自己判断が、実は指の骨が折れている「指骨骨折」を見過ごす原因となり、後悔につながるかもしれません。

指骨骨折を放置すると、指の変形や動きの制限といった後遺症が残る可能性があります。治療には手術をしない方法から手術まで選択肢があり、ある研究では手術方法によって平均で27分もの時間の差が出ると報告されています。

この記事では、指骨骨折の種類や原因、そしてご自身の状況に合った最適な治療法を見つけるための情報を詳しく解説します。大切な指の機能と未来を守るために、ぜひ最後までご一読ください。

指骨骨折の概要

指骨骨折(しこつこっせつ)とは、指の骨が折れてしまうケガで、 子どもたちの日常生活やスポーツ中にとても起こりやすいです。 私たちの指は、親指をのぞき、3つの小さな骨でできています。

  • 末節骨(まっせつこつ) 指のいちばん先にある、つめが生えている部分の骨です。
  • 中節骨(ちゅうせつこつ) 指の真ん中にある骨です。
  • 基節骨(きせつこつ) 指の付け根にある、いちばん太くて長い骨です。

ドアに指をはさんだり転んだりといった、ささいな事故が原因です。 また、骨と筋肉をつなぐ「腱(けん)」に強く引っ張られて、 骨の一部がはがれてしまう「裂離骨折」という折れ方もあります。

治療は、骨を元の位置に戻し、ギプスなどで固定するのが基本です。 しかし、骨のずれが大きい「不安定な骨折」という状態のときは、 手術で骨をしっかり固定する必要があります。

手術の方法には、針金(ワイヤー)を使う方法や、 金属の板(プレート)とネジを使う方法などがあります。 ある研究報告によると、針金を使う手術のほうが、 金属の板を使う手術よりも平均27分ほど短いとされています。

どちらの方法でも、感染などの合併症が起こる可能性には、 統計的に大きな違いはないと報告されています。 どの治療法を選ぶかは、骨折の場所や折れ方などによって、 お医者さんが総合的に判断します。

指の変形や動きの制限が残ることもあるため、 「突き指だから大丈夫」と軽く考えずに、 早めに専門医に相談することがとても大切です。

指骨骨折の種類

指の骨折は、どの骨がどのように折れたかによって、 いくつかの種類に分けられます。 折れ方のパターンを知ることが、適切な治療への第一歩です。

代表的な骨折のパターンには、以下のようなものがあります。

  • 裂離骨折(れつりこっせつ) 筋肉と骨をつなぐ「腱(けん)」などが強く引っ張られ、 骨の一部が一緒に剥がれてしまう骨折です。
  • 脱臼骨折(だっきゅうこっせつ) 関節が外れてしまう「脱臼」と骨折が、 同時に起こってしまうケガです。
  • 不安定な骨折 骨のずれが大きかったり、元に戻しても安定しなかったりする骨折です。 この場合は、手術で骨をしっかり固定する必要があります。

不安定な骨折の手術では、主に2つの方法が用いられます。 一つは針金(ワイヤー)で固定する方法で、 もう一つは金属の板(プレート)とネジで固定する方法です。

ある研究報告によると、針金を使う手術のほうが、 金属の板を使う手術よりも平均で27分ほど短いとされています。 また、骨がくっつくまでの時間も、針金の方が少し早い傾向にあります。

どちらの方法を選んでも、ばい菌が入ってしまう「感染」などの 合併症が起こる可能性には、統計的に大きな違いはありません。 お医者さんはこれらの情報を基に、患者さんの骨折の状態に合わせて、 最適な治療法を判断します。

また、骨折した場所や原因によって、 以下のような名前で呼ばれる特別な骨折もあります。

骨折の名称

特徴

マレット骨折

突き指などで指の第一関節が曲がり、伸ばせなくなる骨折です。

ボクサー骨折

拳で何かを殴ったとき、小指側の手の甲の骨が折れるものです。

ベネット骨折

親指の付け根で起こる、脱臼をともなう複雑な骨折です。

このように、指の骨折にはさまざまな種類があるため、 自己判断せず、専門医の診断を受けることがとても大切です。

指骨骨折の原因

指の骨折は、特別な事故だけでなく、毎日の生活の中でも起こります。 「まさかこんなことで?」と思うような、ささいな出来事が原因となり、 指の骨は意外と簡単に折れてしまうことがあるのです。

原因は、大きく分けて2つのパターンがあります。

1. 強い力が直接かかるケガ(外傷) 指の骨が折れる一番の理由は、指にとても強い力がかかることです。 これを医学用語で「外傷(がいしょう)」と呼びます。 具体的には、以下のような状況で起こりやすいです。

  • 日常生活でのできごと ドアや窓に指をはさんだり、転んで強く手をついたりしたとき。 また、重い物を足や手の指の上に落としたときにも起こります。
  • スポーツや遊びのとき ボールが指先に強く当たる、いわゆる「突き指」が代表的です。 他にも、機械や遊具に指が巻きこまれる事故も原因となります。

指の骨は、体の他の骨に比べてとても細くて小さいため、 このような強い衝撃に耐えきれずに折れてしまうのです。

2. 骨自体がもろくなっている場合 もう一つの原因は、骨自体が弱くなっているケースです。 特に注意したいのが、「骨粗しょう症(こつそしょうしょう)」という病気です。

  • 骨粗しょう症とは? 骨の中身がスカスカになり、もろく、折れやすくなってしまう病気です。 お年寄りの方や、女性に多く見られる傾向があります。

骨が弱くなっていると、普段なら何でもないような軽い力でも骨折します。 例えば、家の中で少しつまずいて手をついただけ、というような、 ごくわずかな衝撃でも骨折につながる可能性があるため注意が必要です。

指骨骨-折の症状

指を骨折すると、体は色々なサインを出して「大変だ!」と知らせます。 ケガの程度によって症状は違いますが、もし指に強い力がかかった後に、 次のような変化があれば、骨折しているかもしれません。

【指骨骨折の主な症状チェックリスト】

  • 強い痛み 指を動かしたり触ったりすると、電気が走るような激しい痛みがあります。 特に、骨折した場所を軽く押すだけでも、飛び上がるほど痛みます。
  • ひどい腫れ ケガをした指が、数分から数時間のうちにパンパンに腫れあがります。 これは、骨が折れて周りの組織が傷ついているというサインです。
  • 色の変化 皮膚の下で血がにじむ「内出血(ないしゅっけつ)」によって、 指が青紫色や黒っぽい色に変わることがあります。
  • 動きの制限 痛みや腫れがひどくて、指を思うように曲げたり伸ばしたりできません。 「グー」や「パー」のような簡単な動きも難しくなります。
  • 見た目の変形 折れた骨がずれていると、指が変な方向に曲がって見えたり、 隣の指と比べて短くなっていたりすることがあります。
  • 爪の変化 指先を強くぶつけた場合、爪の下に血がたまることがあります。 これを「爪下血腫(そうかけっしゅ)」といい、爪が青黒くなります。

これらの症状は、骨が「助けて!」と送っている大切なサインです。 骨折が治った後も、指がとても敏感な状態になってしまい、 軽い刺激で痛みを感じるようになる場合もあります。

「ただの突き指だから大丈夫」と軽く考えず、 少しでもおかしいと感じたら、早めに病院で診てもらうことが、 後遺症を残さずにしっかりと治すための第一歩です。

指骨骨折の検査・診断

指をひどく痛めたり、腫れて曲がらなかったりするときは、 「骨がどうなっているか」を正確に調べることが大切です。 病院では、正しい治療のために次のような検査を行います。

お医者さんによる診察

はじめに、お医者さんがケガについて詳しくお話を聞きます。 いつ、どこで、どんなふうにケガをしたのかを教えてください。 その後、指の状態を丁寧に、そして優しく調べていきます。

  • 目で見る診察 指が変な形になっていないか、どのくらい腫れているか、 皮膚の色が変わっていないかなどを、目で見て確認します。
  • 手で触る診察 指のどこが一番痛いのか、グラグラしていないかを優しく触って確かめます。 また、指をどこまで動かせるか、感覚がおかしくないかも調べます。

画像をつかった検査

お医者さんの診察で骨折が疑われると、骨の状態を詳しく見ます。 そのために、骨の写真を撮る「画像検査」という検査をします。

  • レントゲン検査 骨折の診断で、いちばん基本となる検査です。 正面や横など、色々な方向から写真を撮ります。 こうすることで、骨折の場所や骨のずれを正確に知ることができます。
  • CT検査 骨折が関節の中にまで及んでいたり、骨の折れ方が複雑だったりする時に、 さらに詳しく調べるために行われることがあります。 骨を輪切りにしたような画像で、立体的に状態を把握できます。

これらの詳しい検査結果をもとに、骨折の状態を正確に診断します。 この診断は、その後の治療法を決めるうえで非常に重要です。

例えば、骨のずれが大きい「不安定な骨折」で手術が必要な場合、 針金で固定する方法と、金属の板とネジで固定する方法があります。 ある研究報告によると、針金を使う手術のほうが、 金属の板を使う手術よりも平均で27分ほど短いとされています。

どちらの方法でも、ばい菌が入るなどの合併症が起こる可能性には、 統計的に大きな違いはないと報告されています。 どの治療法が最適か判断するためにも、最初の正確な診断が大切なのです。

指骨骨折の治療

指の骨が折れてしまったときの治療法は、主に2つに分かれます。 骨のずれが小さいか、大きいかによって治療法が決まります。 手術をしない「保存療法」と、手術で治す「手術療法」です。

手術をしない「保存療法」

骨のずれがほとんどなく、安定している骨折の場合に行う方法です。 折れた骨が動かないように、しっかり固定して自然にくっつくのを待ちます。 固定する方法には、以下のようなものがあります。

  • ギプスや副子(そえぎ)での固定 ギプスや、アルミニウム製の添え木などで指を動かないようにします。
  • バディテーピング 折れた指の隣にある元気な指を支えにして、テープで一緒に巻きます。

固定する期間は、骨折の状態や年齢によっても変わってきますが、 およそ2週間から6週間ほどが目安となります。

手術で治す「手術療法」

骨のずれが大きかったり、元に戻しても不安定だったりする場合や、 保存療法ではうまく治らないと判断されたときに行われます。 手術では、ずれた骨を正しい位置に戻し、金属の道具で固定します。

手術には、主に2つの方法があります。

  • 針金(ワイヤー)を使う方法
  • 金属の板(プレート)とネジを使う方法

ある研究報告によると、針金を使う手術のほうが、 金属の板を使う手術よりも平均で約27分、時間が短いとされています。

また、骨がくっつくまでの時間も、針金の方が早い傾向にあります。 一方で、ばい菌が入るなどの合併症が起こる可能性については、 どちらの方法を選んでも統計的に大きな差はないと報告されています。 お医者さんはこれらの情報を基に、最適な治療法を判断します。

治療後のリハビリも大切

治療で骨がくっついた後も、指の動きを元に戻すことが大切です。 そのためには、リハビリテーションが非常に重要になります。 お医者さんの指示に従って、適切な治療とリハビリを受けましょう。