りんご病

お子さんや周囲でりんご病が流行しており、妊娠中の感染を心配していませんか?子どもに多い病気ですが、妊婦さんの感染は胎児に深刻な影響をおよぼす可能性があります。

妊婦さんの約1〜2%が初感染し、胎児に感染するリスクが約30〜50%とされるりんご病。本記事では、その概要から妊娠中の感染リスク、検査、治療法を解説します。

この記事を通して、りんご病への正しい知識を深め、ご自身と赤ちゃんの健康を守る具体的な行動に繋がるでしょう。安心して妊娠期間を過ごすための一助となります。

りんご病の概要

りんご病は、医学的には「伝染性紅斑(でんせんせいこうはん)」、あるいは「第五病(だいごびょう)」と呼ばれるウイルス感染症です※。子どもを中心に広がる感染症で、原因はヒトパルボウイルスB19というウイルスです※。名前の通り、両頬がリンゴのように赤くなる特徴的な発疹から「りんご病」と呼ばれています※。

この病気は、ほとんどの場合、発症から1〜2週間程度で自然に治ることが多く、特別な治療は不要とされています※。しかし、特に注意が必要なのは、妊婦さんが感染した場合です。

妊娠中の女性の約3人に1人は、このウイルスに対する免疫を持っていないため、初めて感染する可能性があります※。妊娠中の初感染率は、一般的に1〜2%とされています※。

もし妊婦さんがパルボウイルスB19に感染すると、ウイルスが胎盤を通過し、お腹の赤ちゃんに感染することがあります※。この母体から胎児への経胎盤感染は、初感染した妊婦さんのうち約30〜50%で発生する可能性があり、妊娠週数が進むほど胎児感染のリスクが高まる傾向にあるといえます※。

赤ちゃんが感染した場合、以下のような合併症につながるおそれがあります。

・重い貧血

・胎児水腫(むくみ)

・流産

・子宮内胎児死亡

・長期的な後遺症

重度の貧血や胎児水腫が起きるリスクは、全体で約3〜4%です。特に、妊娠20週以前に初めて感染した場合には、このリスクが約6〜7%まで上昇すると考えられています※。

妊娠中にパルボウイルスB19に感染したとわかった場合、胎児の状態を慎重にモニタリングする必要があります※。具体的なモニタリング方法には、以下のようなものがあります。

・胎児水腫の兆候を確認するための定期的な超音波検査

・中大脳動脈の血流速度を測るドップラー検査

もし重度の貧血が疑われる場合は、胎児採血で確定診断を行い、貧血が確認されれば、子宮内輸血が必要となることもあります※。

このように、りんご病は一般的に軽症で自然治癒する病気ですが、妊娠中の感染は赤ちゃんに深刻な影響を及ぼす可能性があります。そのため、妊娠されている方やそのご家族は、感染予防に十分努めることが大切です。

りんご病の種類

りんご病は、その特徴や原因からいくつかの呼び名がある感染症です。正式には「伝染性紅斑(でんせんせいこうはん)」といい、古くは小児に多い発疹性の病気の中で5番目に発見されたことから「第五病(だいごびょう)」とも呼ばれています※。この病気は、ヒトパルボウイルスB19が原因で、主に子どもたちの間で広がります※。

通常、子どもが感染したりんご病は、特別な治療をしなくても1〜2週間ほどで自然に治まることが多いです。しかし、妊娠中の女性がこのウイルスに感染した場合、状況は大きく異なります。

妊娠中の女性の約3人に1人は、ヒトパルボウイルスB19に対する免疫をもっていません※。そのため、初めて感染する可能性があります。妊娠中の初感染率は、一般的に1〜2%と報告されています※。

もし妊婦さんがウイルスに初感染すると、ウイルスが胎盤を通過し、お腹の赤ちゃんにも感染してしまう「母体から胎児への経胎盤感染」が起こる場合があります。この経胎盤感染は、初感染した妊婦さんの約30~50%で発生する可能性があり、妊娠週数が進むほど胎児への感染リスクは高まる傾向にあるといえます※。

赤ちゃんが感染すると、次のような深刻な影響を及ぼすおそれがあります。

・重い貧血

・胎児水腫(全身のむくみ)

・流産

・子宮内胎児死亡

・長期的な後遺症

重度の貧血や胎児水腫が起きるリスクは、全体で約3〜4%です。特に、妊娠20週よりも早く初感染した場合は、このリスクが約6〜7%まで上昇すると考えられています※。このように、りんご病は子どもの間では比較的軽症で済むことが多い一方で、妊娠中の感染においては、お腹の赤ちゃんに大きな影響を与える可能性があるため、注意が必要です。

りんご病の原因

りんご病は、ヒトパルボウイルスB19というウイルスが引き起こす感染症です。このウイルスが体内に侵入し、増殖することで、あの特徴的な発疹をはじめとするさまざまな症状が現れます。

感染はどのように広がるのか

ヒトパルボウイルスB19は、主に次の2つの経路で人から人へ広がります。

・飛沫感染:感染した人の咳やくしゃみで飛び散ったウイルスを吸い込むことで感染します。

・接触感染:ウイルスが付着したドアノブやおもちゃなどを触った手で、口や鼻に触れることで感染します。

特に、保育園や幼稚園、小学校といった子どもたちが集団で生活する場では、感染が広がりやすい特徴があります。これは、子ども同士の距離が近く、互いに触れ合う機会が多いためと考えられています。

妊婦さんへの感染が問題となる理由

通常、子どものりんご病は軽症で自然に治ることがほとんどです。しかし、妊娠中の女性がヒトパルボウイルスB19に感染した場合、お腹の赤ちゃんに深刻な影響がおよぶ可能性があるため、注意が必要です。

妊娠中の女性の約3人に1人は、このウイルスに対する免疫を持っていません※。そのため、初めて感染する(初感染)リスクがあり、その割合は妊婦さん全体で1〜2%と報告されています※。

もし妊婦さんが初感染すると、ウイルスは「胎盤(たいばん)」という、お母さんと赤ちゃんをつなぐ組織を通過し、赤ちゃんにも感染してしまう「経胎盤感染(けいたいばんかんせん)」が起こる可能性があります。初感染した妊婦さんのうち、およそ30〜50%の確率で胎児にウイルスが感染するといわれています※。

また、妊娠週数が進むにつれて、赤ちゃんへの感染リスクは高まる傾向にあると考えられています※。

胎児が感染した場合、以下のような合併症につながるおそれがあります。

・重い貧血

・胎児水腫(全身のむくみ)

・流産

・子宮内胎児死亡

・長期的な後遺症

特に、重い貧血や胎児水腫が起きるリスクは、全体で約3〜4%です。このリスクは、妊娠20週以前に初めて感染した場合、約6〜7%まで上昇すると考えられています※。

このように、りんご病は感染経路によって広がり、特に妊娠中の女性にとってはお腹の赤ちゃんに大きな影響をおよぼす可能性があることを理解しておくことが大切です。

りんご病の症状

りんご病の症状は、軽い風邪のような前兆から始まり、その後に顔や体に特徴的な発疹が現れるのが一般的です。これらは、ヒトパルボウイルスB19というウイルスが原因で引き起こされます。

1. 発疹が現れる前の症状(カタル期)

発疹が出現する数日前から、以下のような軽度な風邪に似た症状が見られます。これらの症状は、ヒトパルボウイルスB19が体内で増殖している時期に現れるものです。

・微熱

・全身の倦怠感(だるさ)

・関節の痛みや腫れ

・鼻水、喉の痛み

これらの症状はごく軽い場合が多く、気づかないうちに治まってしまうこともあります。そのため、りんご病と認識されずに過ごしてしまうケースも少なくありません。

2. 特徴的な発疹の出現(発疹期)

軽い風邪症状が治まった後に、りんご病特有の発疹が出始めます。この発疹は、見た目が非常に特徴的であるため、りんご病の診断の大きな手がかりとなります。

・両頬の赤み: まず、両頬に境界がはっきりした赤みが現れ、まるでリンゴのように見えます。これは「蝶形紅斑(ちょうけいこうはん)」とも呼ばれ、鼻の根元を避けて蝶が羽を広げたような形になることもあります。

・体や手足の発疹: 頬の赤みに続き、1〜2日後には腕、脚、体幹(お腹や背中)に発疹が広がります。発疹は、次第に中央部が消えてフチだけが残るようになり、網目状やレース状のような独特の模様を形成するのが特徴です。

・かゆみ: 発疹にはかゆみが伴うことがあり、特に夜間や入浴後など、体が温まった時に強く感じやすい傾向があります。

・発疹の経過と再燃: 発疹は通常、数日から1週間程度で薄れていきます。しかし、日光を浴びたり、お風呂に入ったり、運動して体が温まったりすると、一時的に再び赤みが増して目立つことがあります。これは、血流の変化によるものです。

りんご病の感染力は、発疹が出現する前(軽い風邪のような症状がある時期)が最も強く、発疹が出た頃にはほとんどなくなっていると考えられています。このため、発疹を見てりんご病と気づいた時点では、周囲への感染リスクは低いといえます。

妊娠中の女性とそのご家族へ:症状から知るべきリスク

りんご病は、子どもにとっては比較的軽症で自然に治るケースが多い感染症です。しかし、妊娠中の女性がヒトパルボウイルスB19に感染すると、お腹の赤ちゃんに深刻な影響を与える可能性があります。

妊娠中の女性の約3人に1人は、このウイルスに対する免疫を持っていません※。そのため、初めて感染する(初感染)リスクがあり、その結果、ウイルスが胎盤を通過し、赤ちゃんにも感染する「経胎盤感染」が起こりうるのです。

胎児が感染した場合、以下のような合併症につながるおそれがあります※。

・重い貧血

・胎児水腫(全身のむくみ)

・流産

・子宮内胎児死亡

・長期的な後遺症

特に、重い貧血や胎児水腫は、心不全を引き起こすことで全身にむくみが現れる状態です。この重度の貧血や胎児水腫のリスクは全体で約3〜4%ですが、初感染が妊娠20週以前に発生した場合には、約6〜7%まで上昇すると考えられています※。

もしご家族、特に小さなお子さんに上記のようなりんご病の症状(特に特徴的な発疹)が見られた場合、妊娠中の女性は速やかに医療機関を受診し、医師に相談することをおすすめします。感染の可能性がある場合、血液検査で感染の有無や免疫の状態を確認できます。

りんご病の検査・診断

りんご病の検査・診断は、子どもの場合は特徴的な症状の観察から行われることが多く、必要に応じてウイルス検査が実施されます。

症状からわかること

小児のりんご病では、両頬に現れる赤い発疹や、体幹・手足に広がる網目状・レース状の発疹など、非常に特徴的な症状が見られます。これらの典型的な症状から、視診で臨床的に診断されるケースが多いといえます。

しかし、発疹が軽微であったり、他の疾患と見分けがつきにくかったりする「非典型的(非典型)」な症状の場合や、より正確な診断が必要な場合には、ウイルス検査が検討されます。

ウイルス検査の種類と役割

ウイルス検査は、りんご病の原因であるヒトパルボウイルスB19に感染しているかどうか、あるいは過去に感染したことがあるかを調べるために行われます。主な検査方法は次のとおりです。

・血液検査(抗体検査):血液中の抗体(ウイルスに対する免疫物質)の有無を調べます。

・IgM抗体:この抗体が陽性であれば、最近りんご病に感染した可能性が高いと判断されます。

・IgG抗体:この抗体が陽性であれば、過去に感染してすでに免疫を獲得していることを示します。一度免疫を獲得すると、通常は再感染しないと考えられています。

・PCR検査(遺伝子検査):血液中からウイルスの遺伝子を直接検出する方法です。この検査によって、ウイルスに感染しているかどうかをより早期に、確実に判断できる可能性があります。

妊婦さんの検査と胎児への影響

特に妊婦さんがりんご病に感染すると、お腹の赤ちゃんに深刻な影響が出るおそれがあるため、検査と診断はきわめて重要です。

妊娠中の女性の約3人に1人は、ヒトパルボウイルスB19に対する免疫を持っていません※。そのため、初めて感染する「初感染」のリスクがあります。初感染した場合、ウイルスは「胎盤(たいばん)」という、お母さんと赤ちゃんをつなぐ組織を通過し、約30〜50%の確率で胎児にも感染すると考えられています※。

胎児が感染すると、重度の貧血や胎児水腫(全身のむくみ)、流産、子宮内胎児死亡といった重大な合併症につながるおそれがあるのです※。

そのため、もし妊婦さんがヒトパルボウイルスB19への感染を疑われたり、感染が確認されたりした場合には、胎児の状態を詳しく調べるための特別なモニタリングが不可欠です。具体的なモニタリング方法は次のとおりです※。

・定期的な超音波検査:お腹の赤ちゃんに胎児水腫の兆候(全身のむくみ)がないかを定期的に確認します。

・中大脳動脈ドップラー測定:お腹の赤ちゃんの脳の血管(中大脳動脈)の血流速度を測ります。これは、貧血の有無を判断する重要な手がかりとなります。

これらのモニタリングで重度の貧血が強く疑われる場合は、さらに詳しい「胎児採血」が行われることがあります。胎児採血とは、お腹の中に針を刺し、臍帯(へその緒)から直接胎児の血液を採取して貧血の程度を調べる検査です。もし、この検査で貧血が確認された際には、お腹の中で赤ちゃんに輸血をする「子宮内輸血」が必要となる場合もあります※。

このように、りんご病の検査・診断は、特に妊婦さんにとっては、お腹の赤ちゃんの健康をきめ細かく見守り、必要に応じて適切な処置を行うために非常に重要な意味を持っています。

りんご病の治療

りんご病は、そのほとんどが特別な治療を必要とせず、症状を和らげる「対症療法(たいしょうりょうほう)」が中心となります。これは、発熱や発疹によるかゆみなどの不快な症状に対して、その症状に応じた薬を使うことで、体が本来持っている自然に治る力をサポートする治療法です。

具体的な対症療法としては、以下のケースで薬が処方されることがあります。

・発熱や関節の痛み:解熱鎮痛剤(げねつちんつうざい)が用いられます。

・発疹に伴う強いかゆみ:抗ヒスタミン剤(こうヒスタミンざい)などの内服薬や塗り薬が処方されます。

これらの薬は、症状を一時的に和らげることを目的としており、ウイルスそのものを排除するものではありません。

妊娠中のりんご病:特別な注意と治療

りんご病は、お子さんにとっては比較的軽い病気で自然に回復することがほとんどです。しかし、妊娠中の女性がヒトパルボウイルスB19に感染した場合は、お腹の赤ちゃんに深刻な影響がおよぶ可能性があるため、特別な注意と管理が必要となります。

妊娠中の女性の約3人に1人は、このウイルスに対する免疫(抵抗力)を持っていません※。そのため、初めて感染する「初感染」のリスクがあり、その割合は妊婦さん全体で約1〜2%とされています※。

もし妊婦さんが初感染すると、ウイルスが「胎盤(たいばん)」という、お母さんと赤ちゃんをつなぐ組織を通過し、胎児にも感染してしまうことがあります。この「母体から胎児への経胎盤感染」は、初感染した妊婦さんのうち約30〜50%の確率で発生し、妊娠週数が進むほど赤ちゃんへの感染リスクが高まる傾向にあります※。

胎児が感染した場合、以下のような合併症につながるおそれがあります。

・重い貧血

・胎児水腫(たいじすいしゅ):全身にむくみが生じる状態です。

・流産

・子宮内胎児死亡

・長期的な後遺症 ※

特に、重い貧血や胎児水腫が起きるリスクは全体で約3〜4%ですが、妊娠20週よりも早く初感染した場合は、このリスクが約6〜7%まで上昇すると考えられています※。これらの合併症が、お腹の赤ちゃんの心臓に負担をかけ、生命に危険をおよぼす可能性もあるのです。

そのため、妊娠中にヒトパルボウイルスB19への感染が確認された場合は、胎児の状態を慎重にモニタリングすることが不可欠です。具体的なモニタリング方法と処置は次のとおりです※。

・定期的な超音波検査:お腹の赤ちゃんに胎児水腫の兆候(全身のむくみ)がないかを継続的に確認します。

・中大脳動脈のドップラー測定:お腹の赤ちゃんの脳にある血管(中大脳動脈)の血流速度を測る検査です。この速度から、貧血の有無を判断する重要な手がかりが得られます。

これらの検査で重い貧血が強く疑われた場合は、さらに詳しく「胎児採血」が行われることがあります。胎児採血とは、お腹の中に針を刺し、へその緒から直接胎児の血液を採取して貧血の程度を調べる精密検査です。もし、この検査で貧血が確認された際には、お腹の中で赤ちゃんに輸血をする「子宮内輸血」が必要となる場合もあります※。

りんご病の治療方針は、患者さんの年齢や妊娠の有無によって大きく異なります。特に妊娠中の感染が疑われる場合は、速やかに医療機関を受診し、医師と相談して適切な対応をとることが大切です。