睫毛貧毛症

ビューラーを使っても昔のように上がらない、アイメイクが楽しめない…。そのまつげの悩み、単なる加齢や日々のダメージのせいだと諦めていませんか? もしかしたら、それは「睫毛貧毛症」という、医学的な治療が可能な病気のサインかもしれません。

まつげは、ほこりや汗から目を守る重要なバリアです。そのまつげが減ってしまうのは、見た目の問題だけでなく、目の健康にも関わります。しかし、ご安心ください。ある研究では、適切な治療によって4割から6割もの患者さんでまつげの量や長さに改善が見られたという報告もあるのです。

この記事では、あなたの悩みの原因を突き止め、ご自身に合った治療法を見つけるためのヒントを詳しく解説します。大切なまつげを取り戻すための第一歩を、ここから始めましょう。

睫毛貧毛症の概要

睫毛貧毛症(しょうもうひんもうしょう)とは、まつげが少なくなったり、短く・細くなったりする病気のことです。単なる美容の悩みと思われがちですが、医学的な治療が可能です。

まつげには、私たちの目を守るための大切な役割があります。

  • 目のバリア機能 ほこりや汗、虫などの異物が目に入るのを防ぎます。
  • 光の調整機能 まぶしい日光などを和らげ、目への刺激を減らします。

まつげが減ってしまうと、目にゴミが入りやすくなったり、光をまぶしく感じやすくなったりすることがあります。また、お顔の印象にも関わるため、まつげが薄くなることで自信をなくしてしまう方も少なくありません。

原因は加齢やビューラーなどのダメージだけでなく、他の病気が隠れているサインの場合もあります。例えば、円形脱毛症という病気がまつげに影響を及ぼすことがあります。

実際に、円形脱毛症の患者さんを対象にしたある研究では、治療薬によってまつげの状態が改善することが報告されました。この研究では、治療を48週間続けた結果、およそ4割から6割の患者さんでまつげの量や長さに改善が見られたのです。

このように、睫毛貧毛症は見た目だけでなく、目の健康や心の状態にも関わる大切な問題です。まつげのことでお悩みであれば、一度専門のクリニックに相談することをおすすめします。

睫毛貧毛症の種類

まつげが抜ける、または薄くなる原因は一つではありません。 原因によっていくつかの種類に分けられ、対処法も異なります。 ご自身のまつげの状態を知るための第一歩として、主な種類について見ていきましょう。

睫毛貧毛症は、主に以下の4つのタイプに分類できます。

  • 特発性(とくはつせい)・加齢によるもの 「特発性」とは、はっきりとした原因がわからない状態のことです。 また、年齢を重ねると髪の毛に変化が出るのと同じように、まつげも生え変わるサイクルが乱れがちになります。 その結果、まつげが細く、短く、少なくなってしまうのです。
  • 病気に伴うもの 体の病気が原因で、まつげが抜けてしまうことがあります。 例えば、髪が抜けることで知られる円形脱毛症は、まつげや眉毛にも影響を及ぼすことがあります。 最近の研究では、円形脱毛症の治療薬によって、まつげの状態が改善することが報告されました。 ある研究では、治療を48週間続けた結果、およそ4割から6割の患者さんでまつげの量や長さに改善が見られたのです。
  • 薬剤によるもの 抗がん剤など、一部の病気の治療で使うお薬の副作用として、まつげが抜けることがあります。 これは、お薬が毛を作る細胞の働きに影響を与えるために起こります。
  • 物理的なダメージによるもの 日々の習慣が、まつげに負担をかけている場合です。 ビューラーで強く引っ張ったり、マスカラを何度も重ね塗りしたり、目をゴシゴシこすったりする行為が原因となります。

睫毛貧毛症の原因

まつげが「少ない」「短い」「細い」と感じる原因は、一つだけではありません。実は、はっきりとした原因がわからないことも多いのです。主に、以下の4つの要因が考えられています。

  • 原因がはっきりしないもの(特発性)や加齢 睫毛貧毛症で最も多いのは、原因が特定できない「特発性(とくはつせい)」というタイプです。また、年齢を重ねると髪の毛に変化が出るのと同じように、まつげも細く短くなる傾向があります。
  • 病気が隠れている場合 まつげが抜けるのは、体の病気がサインを出している場合もあります。 – 円形脱毛症 髪の毛が抜ける病気として知られていますが、まつげや眉毛にも症状が出ることがあります。ある研究では、頭の毛が抜けている範囲が広い人ほど、まつげも抜けていることが多いと報告されています。 – 皮膚の病気 アトピー性皮膚炎などで目の周りをこすったり、炎症が起きたりすると、まつげは抜けやすくなります。 – 全身の病気 甲状腺の病気や膠原病(こうげんびょう)など、体全体の病気が原因になることもあります。
  • 日々の習慣によるダメージ 毎日のメイクやお手入れが、知らず知らずのうちにまつげに負担をかけていることがあります。 – ビューラーやホットビューラーの使いすぎ – つけまつげや、まつげエクステの繰り返し – マスカラを落とすときの強い摩擦(ゴシゴシ洗い) – 精神的なストレス
  • お薬の副作用 抗がん薬など、一部の病気の治療で使うお薬の副作用として、まつげが抜けてしまうことがあります。お薬が、毛を作る細胞の働きに影響を与えてしまうためです。

睫毛貧毛症の症状

「最近、まつげが少なくなったかも?」と感じていませんか。 睫毛貧毛症は、まつげの本数が減るだけでなく、様々な症状が現れます。 ご自身の状態と比べて、チェックしてみましょう。

こんな症状はありませんか?まつげからのサイン

分類

具体的な症状

見た目の変化

□ まつげの本数が減った

□ まつげが細く、弱々しくなった

□ まつげが短くなった

□ まつげが切れやすくなった

目の不快感

□ 目にゴミやほこりが入りやすい

□ 汗が目に入ってしみることが増えた

□ 光をまぶしく感じやすくなった

心への影響

□ 顔の印象が変わったように感じる

□ アイメイクが楽しめなくなった

□ 人と会うことに自信が持てない

これらの症状は、まつげが目を守るという大切な役割を果たせなくなっているサインです。 例えば、目にゴミが入りやすくなるのは、まつげのバリア機能が弱まっているためです。

また、まつげの脱毛は、他の病気が原因で起こることもあります。 特に円形脱毛症では、まつげやまゆげにも症状が出ることが少なくありません。 ある研究では、頭皮の脱毛が重い患者さんほど、まつげや眉毛の脱毛も重くなる傾向があると報告されています。

まつげの変化は、体からの大切なメッセージかもしれません。 もし気になる症状があれば、自己判断せず専門のクリニックへ相談しましょう。

睫毛貧毛症の検査・診断

「まつげのことで病院に行くのは大げさかも」 「痛い検査や難しい検査をされたらどうしよう」 このように不安に思う方がいるかもしれません。

しかし、睫毛貧毛症の診察では、特別な機械を使ったり、 痛みを伴ったりする検査は基本的にありませんのでご安心ください。 診断で最も大切なのは、医師が目で見て確認することと、 あなたのお話をじっくり聞くことです。

  • 目で見る診察(視診) 医師が、まつげの長さ、太さ、本数(密度)などを丁寧に確認します。 まぶたの皮膚の状態も、原因を探るための重要な情報になります。
  • お話を聞く診察(問診) あなたの「困りごと」が、診断のための最も大切な手がかりになります。 最近の研究でも、患者さん自身が症状をどう感じているかという情報が、 治療方針を決めるうえで非常に重要だとわかってきています。

下のリストを参考に、あなたの状態を教えてください。

【医師に伝えることリスト】

  • いつからまつげの変化が気になりましたか?
  • 髪の毛やまゆ毛など、他の毛にも変化はありますか?
  • 普段のアイメイクやお手入れの方法を教えてください。
  • アトピー性皮膚炎などのアレルギーはありますか?
  • 今、治療中の病気や飲んでいるお薬はありますか?

問診の結果、もし背景に甲状腺の病気など、 他の病気が隠れている可能性が考えられる場合には、 原因を特定するために血液検査などを行うこともあります。

見た目の変化だけでなく、それによって気持ちが落ち込んでしまうなど、 心の変化についても遠慮なくお話しください。 あなたの言葉が、最適な治療への第一歩となります。

睫毛貧毛症の治療

まつげが薄くなる原因は様々で、治療法も一つではありません。 原因に合わせた治療と、まつげの成長を直接応援する治療があります。 ご自身の状態に合った方法を見つけることが、改善への第一歩です。

まずは原因を取り除く治療

まつげが抜ける原因に心当たりがある場合、 その原因を取り除くことから治療は始まります。

  • 体の病気が隠れている場合 アトピー性皮膚炎や甲状腺の病気が原因なら、 まずその病気の治療を優先します。 また、円形脱毛症が原因でまつげが抜けることもあります。 最近の研究では、円形脱毛症の飲み薬による治療で、 髪だけでなく、まつげやまゆげにも改善が見られると報告されています。 ある研究では、治療を続けた患者さんのおよそ4割から6割で、 まつげの量や長さに良い変化が見られました。
  • 日々の習慣が原因の場合 ビューラーで強く引っ張る、マスカラをゴシゴシ落とすなど、 まつげへの負担が原因の場合は、毎日のケアを見直すことが大切です。
  • お薬の副作用が原因の場合 もし他のお薬が原因と考えられる場合は、 そのお薬を出してくれた先生に相談し、変更などを検討します。

まつげの成長を応援する治療

原因がはっきりしない場合や加齢によるものには、 まつげの毛根に働きかけ、成長を助ける塗り薬(ビマトプロスト)を使います。

項目

内容

使い方

1日1回、夜の洗顔後などに、

専用の筆で上のまつげの生え際に塗ります。

効果の目安

使い始めて1〜2ヶ月ほどで変化を感じ始め、

約4ヶ月で最大の効果が期待できます。

副作用と注意点

・まぶたが黒ずむ、かゆみ、目の充血などが起こることがあります。

・保険が使えないため、費用は全額自己負担となります。

・治療をやめると、まつげの状態は少しずつ元に戻ります。

どの治療法があなたに合っているかを知るためにも、 まずは一度、専門のクリニックへお気軽にご相談ください。